MIU404

□触れた指先に疼く熱
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普段のツンツンデレとは違う、ベッドの上の艶っぽい桜月の姿をもう少し堪能したいけれど、お互いに限界で。
背中にチクリと走った痛みすらも快感にしかならなくて。
白濁の精を被膜越しに彼女の奥へと吐き出した。



桜月の呼吸が落ち着いた頃を見計らって桜月の中から、名残惜しいけれど自身を引き抜けば、フルフルと身震いさせた。
仰向けのままの桜月の横にベッドから足を下ろして座ると、ころんと俺の方を向いて横向きに寝転がる桜月。
起き上がる気配がない。



「シャワー、先浴びる?」
「ん……」



頬に張り付いた髪を指先で払ってやれば、くすぐったそうに顔を背ける。
……きゅるきゅる。
それでも起きない。
する前もだけど、シた後もシャワー浴びたいって言う桜月だからこの後はシャワーかと思ってたけど……。

あれ、もしかして腰立たない?
オンナノコの日で一週間できなくて、終わったと思ったら俺が当番勤務で更にお預けくらって。
確かにいつもより長くていっぱい触りまくったけど、腰立たなくなるほどだった?



「桜月?立てる?」
「ん、大丈夫……」



小さく息を吐いてからゆっくりと起き上がった桜月がいつの間にかベッドの下に落ちていたタオルケットを拾い上げて身体に巻き付けた。
前に一回理由を聞いたことあるけど、終わってからの方が恥ずかしいんだって。



「……そんなに、見ないでよ」
「んふふ、だって桜月きゅるきゅるじゃん?」
「ばか」



こっち見ないで、と掌で顔を押される。
地味に痛い。
でも、恥ずかしいのの裏返しだって分かってるからそれもきゅるきゅる。
布が擦れる音とベッドから床に足を下ろす音が聞こえて、今度こそシャワーかと思ったら俺の隣に座ってぽすん、と俺の肩に頭を預けてきた。
……珍し。



「桜月?シャワーは、いいの?」
「……後で、浴びる」
「ん?」



こういう時は何か言いたいか、聞きたい時。
桜月が転がらないようにしながら顔を覗き込めば、わざと視線を合わせないように目だけ動かしてる。
何だぁ…………?
そんなに言いにくいこと?



「どっか痛い?」
「…………」
「じゃあ何か変な感じ?」
「…………」
「どっか気持ち悪い?」
「…………」



全部首を横に振られる。結構強めに。
んん〜……分かんね。
とりあえず桜月の肩を抱き寄せてから天井を見上げれば、腕の中の桜月がもぞもぞ動くのが分かる。
ん?と思ってちょっと見てみれば眉を下げながら何か困ったような……恥ずかしそうな顔の桜月と目が合った。



「桜月?」
「藍、は……」
「うん?」
「……………………」



まただんまり。
俺の話?
何だろ……あ、もしかして首の後ろにキスマーク付けたのバレた?
でも桜月きゅるきゅるだから、ちゃんと俺のって印付けておきたいし。

それとも色んなとこ触られんの嫌だとか?
……それはなさそうだけどなぁ、桜月ちょー気持ち良さそうに蕩けきった声出してたし。

なんて、さっきまでの桜月の姿を思い浮かべてたらまたちょっとキャッキャウフフして触りたくなってきた。



「……藍、ちゃん」
「あ、ごめん。ちょっと考え事〜」
「藍ちゃんは…………その、満足してる?」



何が、と反射的に聞きそうになってしまった。
でも今のこの状況でそう聞かれるってことは、つまり……そういう、?



「え、あ、桜月は満足してない?もう一回シとく?」
「ちが、今日はもう無理!そうじゃなくて……」



一瞬で顔を真っ赤にさせた桜月がさっきよりも激しく頭を横に振る。
……そんなに拒否しなくてもいいじゃん。
まぁ無理させるつもりはないんだけどさ。

そんなことを考えてたら真っ赤な顔のまま、ちょっと俯きながら口を開いた。



「……昨日、同期の飲み会だったの」
「ん?あぁ、写真送られてきたやつ?」
「たまたま女子だけだったんだけど、」
「うん?」



言われてみれば確かに女の子だけだったかも。
でも、それがさっきの桜月の話とどうつながるのか分かんない。
ものすごーく話しにくそうにもごもごしながら、ちょっと困ったような桜月。
んん〜?



「お酒飲んでるうちに、その……そういう、夜の話になった、っていうか」
「うん、」
「皆の話を色々聞いてるうちに、私……というか藍ちゃんは、大丈夫かな、って思って」
「何が?」



色々聞いた話っていうにもちょっと興味はあるけど、今はそれよりも桜月の話の方が大事。
くしゃくしゃになった桜月の後ろ髪をそっと撫でて直しながら続く言葉を待つ。
また少し下唇を噛んだまま黙った後でゆっくりと口が開かれた。



「わ、たし……藍ちゃん以外の男の人、知らないから」
「うん?」
「男の人、満足させる方法とか、分かんないし……だから、藍ちゃんは満足してるのかな、って」
「…………」
「皆結構、お酒入ってたからマグロ?は良くないとか、自分から誘ってみるとか何か色々聞かされてっ。
でもっ……ま、満足してないって言われたからって、何ができるって訳じゃないんだけど……!」



あー……もう、何これ。
きゅるきゅる過ぎて俺どうしたらいい?
帰って来てからなーんか変に身構えてるっていうか、何か色々考えてそうだな〜って感じてたけど……まさかこんなこと考えてたなんてなぁ。
さて、どうするかなぁ。



「んーとさ、?」
「……なに」
「俺、毎回さ?ちょー幸せなの」
「…………何、が」
「だって大好きな桜月がちょーきゅるきゅる魔人で、俺ので気持ち良くなってて?
しかもそのきゅるっきゅるな顔を俺しか知らないって……ちょー幸せじゃね?」
「……う、ん?」



納得してるようで何かよく分かってなさそうな顔。
伝わんねーかなぁ、この感覚。
あー、何か前に男は一番最初になりたがって女の子は一番最後になりたがる、って何かで聞いたことがある気がする。
だから、って訳じゃないけど俺しか知らない顔を俺にしか見せないってことだけで俺としては大満足?

そんな話を説明しながら言えば『何それ』って何かちょっと恥ずかしそうに、それでもちょっと嬉しそうに笑ってくれた桜月。
……マージできゅるきゅる。



「……なぁ、桜月?」
「何……?」
「俺、たぶん桜月が思ってる以上に桜月のこと好きだよ」
「突然、何。どうしたのよ……」
「ん?だって桜月分かってなさそうだったから?」



俺の言葉にちょっとびっくりしたような顔の桜月。
ちょっと、というか結構?
何かもうそれすらもきゅるきゅるで、思わずそのままキスを落としたらビクッと肩を震わせた。
あー……もう、ホントきゅるきゅる。



「っ、藍……」
「んー……?」
「ちょっ、と、どこ触って、」



どこ、って言われても正確には桜月の身体には触れてない。
さっき桜月が身体に巻き付けたタオルケットをそーっと外しただけ。
触るのは、これから。



「どこも触ってないよ?」
「、そうじゃなくて……!」
「俺さ?一個だけ満足してないことあったの思い出した」
「えっ……」



俺の言葉に驚きを隠せないらしい。
話の流れ的に俺が満足してないなんてこと言ってないし、当たり前って言ったら当たり前か。
それに満足してないっていうか、どっちかっていうとお願い的な?
さっき言った通り、毎回ちょー幸せなんだけどさ。



「一回、桜月が『もうむり、しんじゃう』ってくらいまでシたいかも」
「はっ……?!」
「限界突破、ってやつ?明日桜月も俺も休みだし、挑戦してみる?」
「や、今日はホント、もう無理……!」
「んー、俺はまだまだイケるかも〜」
「ちょっと、藍っ!」



一応の抵抗は見せるけど、本気で嫌がってないとこを見ると俺のワガママに付き合ってくれるらしい。
ホント、そういうとこ好き。
そんなことを考えながらもう一度桜月をベッドに押し倒した。


*触れた指先に疼く熱*
(も、ほんと、むり……)
(んー?じゃあシャワー浴びる?それともお風呂入る?)
(おふろ、はいりたい……)
(ん、オッケー。じゃあ風呂沸くまでもう一回)
(や……も、ほんとに……)
(じゃあ……ちょっと休憩)
((良かった……))
(休憩したらお風呂でもう一回な)
(……!!??)

fin...


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