Remain-U.E

□remain unchanged an engahemed3-1
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絢爛にしつらえた王座の間。しかし、そこは優雅なメヌエットも、侍女達の華やかな笑い声も似合わないほど、緊迫した空気が支配していた。
王座に座るべき初老の男はそこになく、壇上の下で小刻みに震え奥歯をカタカタと鳴らしている。
その姿は醜く情けない。一国の主とは思えない狼狽ぶりに、セフィロスは眉をしかめた。
それは男の周りを囲み、同じように身体を震わせる彼の家族も然り。
いつもは気位高く、傲慢に振る舞う彼等は見るも無残だった。

セフィロスは恐怖に打ち拉がれ、嗚咽を漏らす哀れな人間達を見渡すように瞳を動かし、ふと笑った。

俯き怯える者達の中に一人、目を反らす事なく自分を睨む少女。
歳は16、7だろうか。
鮮やかな金髪に白い肌。長い睫に縁取られる瞳は空を感じさせた。

可憐な容姿は正にセフィロスの好みだが、それ以上に妖魔である自分を前に怯むことない気丈さが、セフィロスの欲を刺激した。

少女の青と、セフィロスの碧が絡み合う。

それでも視線を反らす事なく睨み返してくる少女に、セフィロスは残酷な提言を出した。



それが少女にとって、“永遠の呪縛”の始まりだった。
 

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