紫色の光、真紅の焔
□序
1ページ/1ページ
こんな光景、誰が想像していただろう
瓦礫の山、燃え盛る火焔
これまでの、神聖さはどこへ消え失せたのか
こんな状況、誰が想像していただろう
父母が、家臣が盾となり自分と姉とを逃がした
そしてその姉が今、目の前で、私を庇い、倒れた
……一人にしないで
なぜ皆そんなに私を護るの?
私を護ったって何にもならないのに
『成してもらいたいことがある』
皆、続けていうの、お前じゃなきゃ駄目だ、と
…私にはできない。したくない……
それはこの状況を引き延ばし、再び起こさせるだけ……
今、私に銃口を向けているMSから逃げる意志も失せた
ここで撃たれれば全てが終わる
それはいいのかもしれない、でもね、でも
この頬を伝う雫が、生きたい、と訴えている
怖い、怖いの…
何もできない、自分が憎い
ごめんなさい
ごめんなさい………
その瞬間、私は「神」を見た
・