戦国BASAランス書庫
□おいたはだめよ ☆
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ぽかぽかと暖かい午後の日差しを受け、信長は縁側で茶を啜っていた。
妹の香姫が入れてくれたお茶はいつも美味しい。
少し年の離れた妹は、兄の好みを良く理解してくれている。
戦乱の世にであるとは思えないほど和やかな昼下がり、こんな日がずっと続けばいいのにと、他愛もないことを思いながら、信長は新作の団子を口に運んだ。
(…まぁ、無理なんだけどね)
そんな信長のささやかな願いをぶち壊すせわしない足音が、遠くから近づいてくる。
(廊下を走ってくるのは3Gだな…?またランスが何かしたのかな?)
ランス、というのは今この織田軍を動かしている異人の名だ。
彼が来てから確かにこの国は強くなった。
足利、徳川、今川…武田のてばさき軍団をも破り、ついでに天志教とも同盟を結んだこの国は、もはや他国に攻め滅ぼされることに怯えることはないだろう。
その偉業を考えると、有能…と言えなくもないのだけれど、如何せん問題を起こす頻度が半端でない。
「信長様!」
(ほら、来た)
息をきらして走り込んできた家老の3Gの方へ、ゆっくりと信長は体の向きを変えた。
(今回は一週間間隔が開いたから…多分ちょっと酷いかな?)
もうとっくに慣れてしまったのだけれど、一応覚悟だけは決めて口を開く。
「どうしたんだい。3G」
血圧上がっちゃうよ?と笑い、信長がお茶を淹れて差し出すと、3Gはそれぞれ一口ずつ啜り一息ついた。
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