脳 内 旅 行 記【b】

□011005 龍
1ページ/1ページ

古いマンションにいた。
私は何かを見てしまった。悲しい。
マンションから出ようと階段に向かった。
スーパーの袋の擦れる音が聞こえる。
どうやら誰かが登って来ている。
ふと下を見ると知らないお婆さんだった。
しかし誰にも会いたくないので階段を登り逃げるように最上階まで行った。
袋を持っていた人は、よく見ると親戚のおばちゃんだった。
私は階段を下りていった。
外に出ると、おんちゃんの家の裏が見えた。
すごく寒い。
シルバーのワゴンが家の裏に停まった。
みんな私の事を探していたみたいで、後ろから
「水歩ちゃんいた」
と聞こえた。
しかし誰も近づいてこなかった。
ハンカチを広げて悲しくて流れる涙を拭きながら一人歩いていたら海が見えた。

海の波際にたくさん龍がいた。
宙をくるくる回りながら浮いていた。
その龍を挟むように女の人達が飛び方(宙に浮く方法)を教えてもらっているようだった。
《人間達が真似をしているという方が合っているかもしれない》
女の人の中には、おんちゃんの奥さんがいた。

ぼーっと眺めていたら、高い波が来た。
みるみるうちに女の人達が波にのまれていった。
その途端、くるくる回っていた龍が女の人の足を噛んで海に持って行こうとしている。
女の人達の叫び声が響き渡る。
みんな逃げ回り、海は赤く染まっていた。
また高い波が来て、何人かが龍に持って行かれそうになった。
見ているだけじゃダメだと思い誘導して非難させた。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ