12/21の日記
21:15
かつて多くの人間が辿った道
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あなたは己が何者であるか考えたことがあるだろうか。
または何者であるか説明できるだろうか。
あなたを構成する要素が何であるか、他者との違いはなんであるか、自身が存在する理由、存在できる理由、あなたの居場所、いるべき場所を主張できるだろうか。
このような場所に来て、このような文章を真面目に読むあなただから、きっと不確定で不定形、形而上的なものをお持ちだろう。
悪いことではない。
例え己の正体がわからなかったとしても、捉えられなかったとしても、不安定ですぐにでも拡散してしまいそうだったとしても、それがあなたであることに違いないのだから。
言葉で説明できずとも、あなたはあなたでしかない。
他の誰を真似ようと、どんなに離れようとしても、あなたはあなたから逃れることはできない。
それは呪いでもあるだろう。
あなたはどんなにあなた自身を憎んでいるだろうか。
あなたはどんなにあなた自身を嫌っているだろうか。
こんな自分はいやだ。
自分ではない何者かになりたい。
死んでしまいたい。
と、思ってしまうのも、それはあなたであるから。
辛いと思えるのも、悲しいと思えるのも、紛れもない、その感情の持ち主があなただから。
みんな苦労している、みんな嫌な思いをしている、みんな辛いことがある…
そんなものは気にしなくていい。
なぜならば、あなた自身の辛さ、苦しみ、悲しみは、本当のところ、あなたしか理解できないのだから。
だれがあなたの本当の苦痛を理解できよう。
他者の苦しみは本当にあなたの苦しみと同一だろうか。
そんなことはないはずだ。
あなたを救えるのはあなただけだ。
しかしながらあなただけではあなたは救えはしない。
同じ場所を何度も何度も勘で回り続けるよりは、案内板を見たほうが賢い選択であることは誰にでもわかる。
この世の中で自分自身ほど己を理解している者はいないが、自身ほど己の理解に苦しむ者も他にはいない。
己との断絶の壁こそが、この世界においてまず乗り越えるべき壁であり、破壊すべき壁である。
この壁はあまりにも高い。
世界をふたつに大きく隔て、また、認識すら難しいほどに高い壁であることには十分に留意されたし。
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