リク&企画小説
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総司は暗い場所にいた。
ここがどこだか全く検討がつかない。
ただひたすら暗かった。
ふと、前方に人の気配を感じた。
その気配は存外近いが、黒い影としか見えなかった。
「・・・神谷さん??」
小柄な影は彼女のような気がするのに、反応がない。
「神谷さん!!」
今度はしっかりと呼ぶ。
すると影がこちらを向く気配がした。
その瞬間、総司は影に突き刺さろうとする白刃を見た。
嵯峨に動こうとした。
だが体は動かなかった。どんなに動かそうとしても。
「っ、神谷さん逃げて!!」
総司の叫びも空しく、影は動かなかった。
ゆっくり、ゆっくり、白刃は影に突き刺さっていく。
まるで総司にその映像を焼き付けさすかのように。
「神谷さん!!神谷さん!!」
全て刺さりきると、影は崩れ落ちた。
影がもう生きていないことは、今までの経験でわかる。
その時を待っていたかのように、総司は動けるようになった。
震える体をなんとか動かし、その影の顔を確認しようと手を伸ばす。
自分の勘違いであることを願い。
そっと顔をこちらに向ける。