Story

□そらいろ様拾万打フリー小説
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櫻の木の下で


「セイ、こっちこっち!」
子どものようにはしゃいだ様子で総司が呼ぶ


少し遅れて、ほんの少し息を切らせて、セイは先にいる総司を上目に見る
「・・・待ってくれてもいいのに」
その表情から非難を感じ、総司は浮かれて緩みきった顔から
焦った顔に変え慌ててセイの目の前へと戻ってきた
「ごめん、セイ。久しぶりで嬉しくて・・・」
頬を掻きながら総司が手を差し出す

照れると頬を掻く、総司の癖

わざと怒ってみせたセイだったが
その様子に自然と頬が緩み、そっと手を重ねた
途端、自分のものよりずっと大きくて温かい手が包み込むように繋ぐ

「もう少しだから、頑張って」
「うんっ」
今度はセイの歩幅にあわせて、でも急ぎ足で―――



ようやく叶った花見に総司もセイも心逸らせていた
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