短編集
□花火(前半)
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今日の総司は恐ろしく機嫌が良い。
セイはそんな総司を不審に思っていた。
その理由は朝の巡察を終えた後、明らかになった。
「神谷さん、今日は花火大会ですよ!!一緒に行きましょ♪」
これが理由。
「はいっ、お供させて頂きます。」
セイの答えに総司は幸せそうに笑った。
その顔に‘どきゅん'ときたセイは顔を真っ赤にした。
「じゃぁ、猿の刻にお里さんのところに。」
「えっ!?何故お里さ…行っちゃった。」
総司は風のように去って行ってしまった。
それ以来総司の姿は屯所になかった。
セイは不思議におもったが、総司がいなくなることは度々あったため、気にしない事にした。