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□130年の時を超えて
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桜の舞う正門を息を切らしながら走る1人の少女。
その少女の名は、神谷せい。
言わずもなが、新選組隊士神谷清三郎もとい富永セイの生まれ変わりである。
「あぁ、遅刻」

せいの頬にはいくつも汗が流れ落ちる。

『これから入学式を始めます』

体育館から聞こえてくるアナウンスは、無情にも式の進行を告げるものだった。


ここは京都にある、いわば文武両道をモットーにしている高校、浅黄学園高等学校。

せいがここを受けると決意したのは、冬に見たある雑誌からである。
その雑誌には『剣道IH、浅学1年・沖田が制覇』と書かれていた。
小さく載った写真。
せいはその写真の人物から目が離せなくなっていた。
「・・・似てる」

続く(06,10,18)
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