BOOK
□トイレの哲夫さん
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ある高等学校のトイレに住み着いている幽霊っぽいヤツの話
空が白んできて
もうすぐ太陽が顔を出すという時間
一匹のコウモリが
ある高校に向かって飛んで行く
周りに見える物と言えば
鬱蒼と生い茂る緑だけ
そんな田舎の中の田舎にある
高校のトイレ
の中の『使用禁止』の札がかかっている一つの個室
その中にコウモリは吸い込まれるように入っていった
「ﾏｽﾀｰ起きて下さい」
ﾏｽﾀｰと呼ばれた人物は
ソファの上に寝転がり
コウモリを見た
まだ寝ぼけているのか
体の半分はソファに埋もれている
「…嗚呼…云々分かった」
やっぱり半分寝ているようだ
「早く起きないと如月さんが来ますよ」
言い終わるか終らないかの寸前で
個室のドアが叩かれた