◆ novel short-story ◆

□A Song For You
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「そんなんせんでええから、もうこっち来てゆっくりしたらええやん」



女性にしては背の高い後姿に声をかける。



「ちょっと待って。あと、少し」



こちらを振り向くことなく寄越された返事に、少しだけイラっとした。





何を急に思いついたのか「細かいところは結構埃がたまってるから」と言い出した彼女が掃除を始めてもう小一時間になる。


大がかりな掃除は専門業者に頼んであるけれど、あくまで定期的に来て貰っているだけだ。

毎日掃除しているわけではないから多少の埃はたまっているかもしれない。



でもそんなに気になるほどではないのに。




そのまま黙って見ていたら余計なセリフを吐いてしまいそうな気がして、テーブルの上に置いてある煙草に手を伸ばした。






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