novel1

□月下の願い
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女に対して無器用なのは今まで生きてきて何の不自由もなかった。
これからだって、んなのどうだっていい事だと思ってた。


ただ、今はこいつの前だけでいいからそんな俺の質を治して欲しいと心から思える。


守りたいんだよ、こいつを。


声を出すまいと唇を噛み締めて肩を震わせ泣くこいつに、何が出来る。
どんな言葉をかけられる。


[泣くな。]
…泣いたっていいだろ、辛いときは泣いた方がスカっとすんじゃん。
[どうした]
…どうしたかなんか聞いた所で俺は何が出来る?


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