天恵
□〜その一言から。〜
3ページ/7ページ
「何やら騒がしいですが、どうしたんです?」
襖を開いた人物は左近であった。
「あー、いえ何ともないですよ。」
微妙な状況だったので幸村がフォローした。
「そうですか。じゃあ、そろそろ宴が始まるんで移動して下さいね」
「おっ、やっと宴かい!」
左近の言葉に慶次は直ぐ様反応し、立ち上がった。余程暇だったらしい。
「あれ?三成殿は…」
幸村も慶次の後に立ち上がりった。
「殿ならおねね様に色々と頼まれ事をされてるので城内を走りまわってますよ」
そう言って、左近はこちらへどうぞと誘導し始めた。
そんな時、1人居ない事に気付く。
そう。いつの間にか兼続が居なくなっていた。
「左近殿!阿国殿は何処に居られるのですか!?」
「え?おねね様の部屋ですが?」
それを聞くと幸村と政宗は走り出した。