天恵

□〜その一言から。〜
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そんな時、三成は何やら騒がしいなぁと思いながら歩いていた。
「殿ー!!」

そんな時後ろから不意に声がかかる。
「なんだ左近。うるさいぞ」

三成が振り返ると、左近と慶次がいた。

「三成さん、兼続を見なかったかい?」

「兼続だと?…別に見なかったが…」
と、三成が言いかけた時、前方から変な声が聞こえた。

段々と近付いてくる。

……その人物は兼続だった。

「阿国殿ー!阿国殿ー!!」

と兼続は叫んでいた。

何が何だか全く分からない三成に、呆れている左近。

そして慶次だけずんずんと兼続に進んで行った。

「少しだけ眠っててくれよ」

と言って、慶次は兼続の腹にパンチした。
兼続はポテっと倒れた。

そして慶次は倒れた兼続を担ぎ上げて、

「これでもう大丈夫だろう」

とにこやかな顔で言った。





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