A

□恋はスリルショックサスペンス
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題名に意味はありません。

そしてBASARAとのコラボです
ぞ!要注意!!

・・・・・・


「まさとらさまああぁぁぁぁあ
あ!!!」

「わたくしのうつくしきつるぎい
いぃぃぃぃいい!!」


 夏も終わりかけ、ていうかすっ
かり秋の浜辺を爽やかな微笑とと
もに二つの影が走っていく。


「…………阿呆」

 向かい合わせに両手を握りあい、
ウフフアハハとくるくる回ってい
た政虎が回転を止めて、砂浜に立
ち尽くす謙信をにらんで言った。
「だれがあほですか、けんしん」
「邪魔をするなっっ!!」
 それと同時にかすがが物凄い殺
気を放って叫ぶ。
「これ、つるぎ。そんならんぼう
なことばづかいは、このわたくしがゆるしませんよ」
 そういうと、政虎は人差し指で
チョン、とかすがの唇をつついた。
「ま、政虎様……!」
「わたくしの、うつくしきつるぎ
……」
 従兄弟の目の前にも関わらず、
二人は周囲に薔薇なんか咲かせて
見詰め合ったまま二人の世界に行
ってしまっている。
「……やれやれ……」
 『うみにびみなるものをたべに
まいりましょう(あきはたべもの
がびみですよ)』
 という誘いの手紙を受け取り
(阿国も同伴で来いという条件
付)、従兄弟に会いに来たはいいも
のの。
 さっきからあの二人はこの調子
である。
(普通に海産物食べ放題ツアーで
はなかったのか!?)
 いつになったら『びみなるもの』
が食べられるのか、謙信は頭を抱
えたくなった。
「車で飽きるのを待っているか…
…」
 謙信がため息混じりにつぶやく
と。
「ええどすなあ……」
「は?」
 隣の阿国がうっとりしたように
つぶやいた。

「謙信様!!うちらも是非!!」

 その目は本気。
 満面の笑みを浮かべながらも本
気。

(ま、まさか、アレをやれと!?)
 本気と書いてマジと読む。
 背中に冷や汗が流れ始め、鳥肌
が全身に沸き立つ。
(無理無理無理無理!!)
 じりっ。
 阿国が距離を測るべくすり足で
近づく。
 じりっ。
 謙信もあわせて後退する。
 それを何度繰り返しただろう。
 無言のプレッシャーに耐え切れ
なくなった謙信は、
「な、何だその目は……そんな目
で我を見るなああああっ!!」
 ありとあらゆる身の危険を感じ
て逃げ出した!!
「あぁん、謙信様のテレ屋さああ
あん!!」

 そんな謙信の後姿を阿国は物凄
いスピードで追いかける。



「ふふふ、けんしんもすなおにな
ったほうがよいのですよ」

「あああ〜〜〜政虎様ああああああ〜〜〜〜」

 それはそれはとろけそうな笑顔
のかすがを胸に抱きながら、政虎
は小さくなっていく二人の後姿を
微笑みながら見送っていた。


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