擬人怪獣シリーズ

□私と、ワルツを
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2018年・8月。
蒼穹の元、山と森と野原が同居し、最初の「招待」と二人の「シン」が出会った、何処の世界なのかも分からない始まりの島。
その島の蒼穹を、一筋の紫の閃光が貫いた。



デストロイア「さぁ、滅びなさい・・・!」



紫の閃光の正体は、右手に隕石のような物体を持った黒衣を纏いし緋色の悪魔・・・デストロイアが空中で放った禁断の兵器の力を持った破壊光線「オキシジェン・デストロイヤー・レイ」であった。
破壊光線はデストロイアの目線の先にいるターゲットに、真っ直ぐ向かって行く。



呉爾羅「最珠羅、力を貸してくれ!」
最珠羅「分かった!行くぞ、呉爾羅!」
呉爾羅、最珠羅「「守護方陣!」」



だが、ターゲットである白衣の男・・・呉爾羅は後方に待機している最珠羅から波の様な形をした水色の力の波動を受け取り、自身を覆う光の壁を生成してデストロイアの破壊光線を防ぐ。



デストロイア「ほう・・・私のオキシジェン・デストロイヤー・レイを受け切るとは、流石は護国聖獣にして私の世界の招待主・・・と言うわけですか。」
呉爾羅「おっ、お前インテリ気取りかと思ったら分かってるじゃんか。」
婆羅護吽「もう、敵に褒められて嬉しがってる場合じゃないって、呉爾羅!」
護国バラン「呉爾羅の話が本当なら、奴の目的は絶対に果たさせてはならない・・・!」
魏怒羅「我らが護国五聖獣、必ず悪魔を討ち・・・その破壊の道具を消し去る!」



呉爾羅の後方には最珠羅だけでなく、風で宙に浮く婆羅護吽と、彼女を浮遊させている護国バラン、既に開眼し「千年竜王」となった魏怒羅の姿もあり、護国バランの力を借りずに空に浮く呉爾羅の全身は力強く白いオーラに包まれた、体内の亡霊達の思いを一つとした「オーバーソウル」本人曰く「Zガンダム」)」状態になっていた。
そう、かつても今も「くに」を守護し続けている護国五聖獣が再び集結し、緋色の悪魔の野望を阻止せんとしているのだ。



呉爾羅「分かってるって。だからその漬物石、ちょっとぶっ壊させろぉ!」



最珠羅が無数の氷の針を、婆羅護吽が溶岩弾を、護国バランが風の槍を、魏怒羅が電撃を、そして呉爾羅が白い火炎を一斉にデストロイア目掛けて放つ。
しかし、デストロイアは全く動じる事無く両手の手刀から黄の斬撃「ヴァリアブル・スライサー」を繰り出し、一振りの元に全ての攻撃を切り裂いてしまった。



デストロイア「ですが、残念ながら私には及ばない・・・」
呉爾羅「それはどうかな?」
デストロイア「んっ・・・?」
呉爾羅「婆羅護吽、力を貸してくれ!」
婆羅護吽「うん!熱い一撃、かましちゃって!」
呉爾羅、婆羅護吽「「紅蓮腕(かいな)!」」



・・・が、この一斉攻撃はあくまで陽動で、真の目的は呉爾羅のこの一撃を当てる為だった。
婆羅護吽のマグマのような赤い波動を受け取った、呉爾羅の振りかざした右手が真っ赤に燃え、そのままデストロイアへ振り下ろす。
気付くのに一瞬遅れたデストロイアはやむなく、左手にエネルギーを集めてヴァリアブル・スライサーで防御。
鍔(つば)迫り合った後に両者は衝撃で弾き飛ばされ、デストロイアの左手の服が半分焼け失せる。



呉爾羅「ちえっ、やっぱ名前をシャイニングフィンガーにすれば良かったんだって。」
魏怒羅「それを言うなら、我ら的には爆熱ゴッドフィンガーであろう!」
最珠羅「そんな事を言っている場合か!いいから奴から真の目的を聞き出すぞ!」



護国聖獣達は両手にオーラを溜めると各々がデストロイアへ接近して行き、今度は近距離戦を仕掛ける。



最珠羅「お前は何故、この世界を壊そうとする!そんな事をすれば、お前も異世界に行けなくなるぞ!」
デストロイア「私は最初から『悪しき怪獣達』になんて興味はありませんよ。だから私にリスクは無い・・・」
婆羅護吽「なんで壊そうとしてるのか、理由を言えっ!」
デストロイア「何故?決まっているじゃないですか・・・ゴジラを、絶望させたいからですよ。」
呉爾羅「Jr.パパの、事かぁ!!」
デストロイア「そう!二度と異世界の仲間に会えなくなれば、ゴジラは大変絶望してくれるでしょう?それが私は見たくてしょうがない・・・ッ!」
魏怒羅「この・・・外道めが!」
デストロイア「なんとでも言うがいい・・・ゴジラを更に絶望させる為にも、貴方達や機龍、Jr.にも協力して貰いますよ?貴方達もまた異世界の仲間に会えなくなれば、ゴジラはもっと絶望してくれる・・・彼が頑なに被りつづける偽悪と言う名の仮面(ペルソナ)を、私は剥がしてやりたいのだから!」
護国バラン「そんな事など、私達が阻止する!同志との絆は、引き裂かせはしない!」
呉爾羅「バラン、力を貸してくれ!」
護国バラン「承知した!私の風を受け取れ!」
呉爾羅、護国バラン「「疾風怒涛!」」



両手にエネルギーを溜めて手刀で接近戦に応じるデストロイアに、護国バランから竜巻のような緑色の波動を受け取った呉爾羅は全身から強風を繰り出し、デストロイアの動きを止める。
台風が直に吹き付けているかの如き風の勢いに、デストロイアは飛ばされないようにするのが精一杯だ。



デストロイア「くっ、小癪な・・・ですが、足止めするだけではこの私には・・・」
魏怒羅「そのままで済むと、思ったか・・・!頼んだぞ、呉爾羅!」
呉爾羅「おうよ!魏怒羅、力を貸してくれ!」
呉爾羅、魏怒羅「「引力放射熱線!!」」



呉爾羅は魏怒羅から雷のような波動を受け取り、全身に電流を漲らせると今度は自身の白い波動を両手に宿し、更に電流を両手に集中させる。
そして、電流を纏わせた極太の放射熱線を両手から放ち、デストロイアに直撃させた。
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