擬人怪獣シリーズ

□私と、ワルツを
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護国バラン「・・・やったか?」
最珠羅「あの、それ言うと『やってない』の方向になるので言わないで下さい。バランさん。」
婆羅護吽「失敗する流れのお約束なのに・・・」
魏怒羅「お前達、我と呉爾羅の合体技が直撃したにも関わらずそんな事を言う気か?」
呉爾羅「だって、キングギドラの存在自体が負けフラグみたいなもんじゃん?引力放射熱線だって、俺のとんち勝ちの結果だったし。」
最珠羅「だったら何故、魏怒羅との合体技をトドメに選んだんだ!」
魏怒羅「呉爾羅・・・!この期に及んで我を馬鹿にするかぁ!」
婆羅護吽「もう!こんな時にケンカしないっ!」
護国バラン「・・・どうやら、そのフラグとやらも回収されたようだな・・・!」



無意味な口論が始まろうとした、その時。
爆煙が晴れ、中から少々全身に傷が付いただけのデストロイアが現れた。
無論、その不敵な笑みと邪気は健在だ。



デストロイア「今のは、危なかったですねぇ。『これ』が無ければ、命の保障は出来なかったですよ・・・」
魏怒羅「馬鹿な・・・!確かに、直撃していたぞ・・・!?」
呉爾羅「ほら見ろ、やっぱり失敗フラグだっただろーが!」
最珠羅「いや、技を出したのは正確にはお前だ!魏怒羅だけのせいにするな!」
デストロイア「さて、これ以上お遊びに付き合っている暇は無いのでね・・・そろそろ、終わりにしましょうか!」
婆羅護吽「あっ、待て!」
護国バラン「逃がさん!」



急上昇し、上空へ逃れようとするデストロイアを追う呉爾羅達。
しかし、デストロイアが向かったのは空に空いた「穴」・・・呉爾羅が招待主の権限で作った、人間界へと繋がる出入り口であった。



婆羅護吽「あいつ、私達が通って来た通路に向かってる!」
最珠羅「このまま、私達の世界に逃げる気か!」
護国バラン「その前に仕留めなければ!」
魏怒羅「貴様だけは、この我が討つ!」



最珠羅達は遠距離攻撃でデストロイアに攻撃を仕掛けるが、デストロイアは的確に攻撃をかわし、「穴」との距離を詰めて行く。



呉爾羅「そうは問屋が卸すかよ!くらえ、しねしねこうせん!!」
デストロイア「ばか、はずれです・・・とでも、言っておきましょうか!!」
呉爾羅「!?」



呉爾羅の熱線も回避し、遂にデストロイアは「穴」に突入した。
間髪入れずに呉爾羅達も「穴」に入り、人間界のみと繋がった時空の狭間の通路・・・人間界の境界線に突入した。
が、その直後に呉爾羅達は立ち止まり様にこちらへ振り返ったデストロイアの、左手から発せられた黒い電撃を受けてしまった。



呉爾羅達「「「「「うわああああああああああっ!!」」」」」
デストロイア「あはははは・・・っ!苦しいですか?そうでしょうね・・・この電撃は、ただの電撃では無いのですから!」



電流が止み、そこにはたった一撃で満身創痍に追い込まれた呉爾羅達がいた。
各々が自身のオーラで防御はしたものの、計り知れない電撃の威力に殆ど意味を成さなかった。



魏怒羅「くうっ・・・!」
護国バラン「何と言う威力、なんだ・・・!」
最珠羅「不意打ちとは言え、防御は出来た筈なのに・・・!」
婆羅護吽「あんな技使うなんて、私聞いて無い・・・!」
呉爾羅「・・・やっぱその漬物石、ただの石じゃ無いよな?」
デストロイア「その通り!冥土の土産に、教えてあげましょう・・・この石は『メテオライト』。全ての事象を破壊する事の出来る、『破壊神』が造った『破壊』の為の道具です。」
魏怒羅「全ての、事象を・・・?」
護国バラン「引力放射熱線を受けて平気だったのは、あれを使って熱線を『破壊』したからか・・・」
デストロイア「ご名答。本当はそんな目的で使うつもりは無かったんですがね、貴方達が思いの他しつこく抵抗するので・・・」
婆羅護吽「あんた、あの島で本当は何をするつもりだったの・・・!」
デストロイア「愚問ですね?私の最終目的は、ゴジラを絶望の底に堕とす事・・・あの島、ひいてはあの空間さえ破壊してしまえば!『招待』なんて一切出来なくなりますからねぇ・・・!」
最珠羅「『招待』が出来なくなる、だと!?」
デストロイア「簡単な事です。窓の無い家の入り口が無くなれば、誰も外に出られない。自分の家にしかいられない・・・私は、それを望んでいるのですよ・・・!」
呉爾羅「・・・やっぱ、そこまで知ってたか。なら余計、その漬物石!壊させろ!」
デストロイア「おっと、いいんですか?ここでメテオライトを壊せば、放出された『破壊』の力でこの境界線は崩壊し、私達の世界は他の異世界との繋がりを失い、二度と「招待」に参加出来なくなりますよ?」
呉爾羅達「「「「「!!」」」」



呉爾羅は右手に白いオーラを集めてデストロイアに向かい、最珠羅達も続こうとするが・・・彼の口から告げられた衝撃の事実に、その手と戦意が止まった。



婆羅護吽「そうだ、ここはまだ別の世界なんだ・・・」
護国バラン「しかし、我らの世界でもある・・・だから奴は、ここに逃げ込んだのか・・・」
魏怒羅「なんと卑劣な・・・!!」
最珠羅「これでは、下手に攻撃も出来ない・・・こんなにも奴を許せないのに、私は・・・!」
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