依頼物置場

□Valentine Day Plan!
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これはとある年の2月12日、京都府・京都市の妃羽菜家から始まる。
学期末テストも迫る中、遥は自分の部屋で参考書ではなく、少々カラフルな大きめの本を読んでいた。
表紙には「おいしいチョコレートの作り方」と書かれており、これはどうやら料理本の様だ。


「えっと、チョコレートをボールに入れて、お湯の入ったミルクパンに乗せて温めて、それから・・・」


熱心に本を読む遥はドアが何回もノックされている事に気付かず、ドアが空いてようやく佳奈他が来た事に気付いた。


「わあっ!お、おばあちゃん!」
「あたしは何回もノックしましたよ。そういえば、明後日の京都案内の話はどうなったのかい?」
「う、うん。志真さんも瞬さんも、大丈夫だって・・・」
「それはよかったねぇ。おや、それは・・・?」


ふと、佳奈他は様々な参考書と料理本が置かれた机の上に目をやる。
目線でそれが分かった遥は慌てて近くの参考書を手に取り、本を隠す。
だが、佳奈他は既に机に置かれた他の本と何処か違う本の存在に気付いていた。
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