依頼物置場

□めざせポケモンマスター
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「ようし、いけっ!モンスターボール!」



東京都・あきる野市に建つ、とあるマンションの一室。
部屋の中ではここの住人である志真がゲーム機のボタンを連打しながら、画面に向かって叫んでいた。
彼がプレイしているゲーム、それは世界各国で発売されている日本を代表するゲームシリーズの一つである、ポケットモンスター。
通称「ポケモン」で通るこのゲームは1996年に発売されて以来、爆発的なヒットを飛ばし、その勢いは今も継続している。
また、世間から見ればポケモンは子供向けのゲームなのだが、作り込まれたバトルシステムと採集要素が大人からも人気を博しており、志真もまたその1人である。



「・・・よっしゃ!ホウオウゲット!ったく、ハイパーボールが無くなるまで粘りやがって・・・でもこういう伝説のポケモンって、案外モンスターボールで捕まえられたりするよな。」



根拠は無いが、ファンなら頷くであろうジンクスを呟き、志真はゲーム中のメニューから「ポケモンずかん」を選ぶ。
「ポケモンずかん」は今まで捕獲・目撃したポケモンが一覧出来る物であり、全てのポケモンを捕獲し図鑑を完成させるのが、このゲームの目的の一つだ。



「え〜っと、あと捕まえてないのは・・・」


――・・・あっ、そうだ。
ゴジラをポケモンに例えたら、どいつになるんだろうな・・・?



ふと、頭に浮かんだその疑問に志真は操作も忘れて本気で考え始める。
今や400を軽く超えるポケモンの中からゴジラと外見が似たポケモンを絞り出し、ゴジラと照らし合わせる。



「うぅん、やっぱあいつか・・・それとも・・・んっ、待てよ。それなら・・・」





『もしもし・・・んっ、志真か。何の用だ。』



一旦考察を止めて志真が電話した相手、それは瞬だった。



「今度の日曜、暇?」
『俺のスケジュールに暇など・・・』
「あるだろ?分かってんだよ。お前の所は有事で無い限り日曜は絶対空いてるってな。」
『くっ・・・それを何処で知った。』
「企業秘密。まぁ、さっきの反応だったら確実だな。大事な話があるから、いつもの喫茶店に来てくれ。あと、遥ちゃんも連れて来るから。じゃあな〜。」
『お、おい志真!どういう・・・!』



瞬が言い終わる前に、志真は電話を切った。
その顔は、少々不敵な笑みを浮かべている。



「遥ちゃんが来るって言ったら、あいつも来ざるを得ないだろ。さて、次は遥ちゃんにっと・・・」



志真は携帯に電話番号を打ち込み、今度は遥に電話を掛け始めた。
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