擬人怪獣シリーズ

□Give me‐君の心を解き放つ物語‐
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一方、「聖地」には既に「‐」バランと僧バランの姿があった。
もう互いに語れる事は語り尽くし、あとはアンバーの到着を待つのみとなっていたのだが、予定の時間になっても一向に現れないアンバーに困惑していた。
ちなみにこの場にいそうな護国バランがいない理由は、いつもの一人行動による「消息不明」で招待が出来なかったかららしい。



僧バラン「うーむ・・・拙僧の待ち人は来ず、か。」
「‐」バラン『誤解を生む言い回しは止めろ。然し、既に予定の刻は過ぎて要ると言うのに遅いのは事実だな・・・』
僧バラン「そのアンバーと言うおなごバランは、本当に遅刻をした事は無いのか?かなり遠い所から来ているようだが。」
「‐」バラン『事実だ。シュンがニンゲンの手本為らば、アンバーはカイジュウの手本の様な者。遅刻等する筈が無い。』
僧バラン「そうか・・・よし!それなら拙僧が迷っていないか捜しに・・・」
「‐」バラン『然うはさせんぞ。フェミニストか何だかは知らんが、然してアンバーを誑(たぶら)かす目論見だろう。丸分かりだ。』
僧バラン「くっ、流石は同志。勘が鋭いな・・・ははん、それともやはり・・・」
「‐」バラン『な、何だ。其の不敵な笑みは。』
僧バラン「女権拡張論者、つまり何事にも女性(おなご)を第一にするフェミニストの拙僧としては、お主もアンバーに惚れているな?」
「‐」バラン『っ!』
僧バラン「拙僧と会うたび必ずアンバーの話をしたり、彼女をカイジュウの手本と讃えたり、今もこうして拙僧と二人きりになるのを止めた・・・同志よ、お主こそ丸分かりだぞ?」
「‐」バラン『五月蝿い!アンバーは飽く迄同じバラン一族の同志と言うだけ!断じて違う!』
僧バラン「そうして声を荒げるのが、丸分かりだと言うのだ。自称冷淡(クール)キャラよ。なんだ、それを早く言ってくれれば拙僧も協力を・・・」
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