ゴジラ「‐」シリーズ

□ゴジラ7・5‐追憶‐
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それからしばらくして、太田市郊外の林の上空を瞬が駈るむささびが飛んでいた。
むささびの至る箇所には修復された跡があり、3ヶ月前の対カイザーギドラの傷跡を物語っている。



「最後に報告があったのは、この辺りだな。」


――しかし報告にあった奇妙な蔦・・・まさかな。



するとその時、瞬の目に不可解な光景が広がっているのが見えた。
林の中に、明らかに他の木や蔦と異なる色と大きさの蔦が、木々に絡まっていたのだ。
その範囲も、数百mはあろう広さだ。



「これは一体どうなって・・・はっ・・・!」



更に蔦の中心に目を向けた瞬だったが、その直後彼の顔はこれまでに無い程に動転していた。
操縦桿を握る手は震え、体中に冷や汗を欠き、何よりも目は怯えにも近い感じで大きく見開かれている。
瞬が見たもの、それは林に深く根付く巨大な植物だった。
縦状に絡まった籠の様な体、その周りを囲む長い蔦、体の中から鈍く光りを放つ核。
何処か無機質さを感じさせる全貌は、意思があるのかも分からない。



「・・・何故だ。何故、お前が・・・!」
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