鋼鉄
□宵の城
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「……へぇ」
意外だった。
意地を張っているようにも、虚勢であるようにも見えなかった。だとすれば、こちらの読みが外れていたのか。
――面白い
どちらにせよ、それは趙雲の加虐心に火を付ける以外の効果をもたらさなかった。
そういつも容易く攻略出来てしまっては面白くない。戦と同じだ。今の魯粛は、さながら落とし難い堅固な城といったところか。謀略を用いじわりじわりと守りを崩し、徹底的に叩き潰してこそ、快感にも似た楽しみが生まれる。
――此所に来たのは正解だったな
追い込まれ、狼狽する魯粛を想像して趙雲はニィ、と唇の端を吊り上げた。それは見た者に恐怖を与える、酷く凶暴な笑みだった。
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