むかし

□スウィートキッス
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「なぁなぁ〜、菊姉ちゃんって胸何カップ?C?D?」
寝る前に突然石松が布団から顔を出し竜児に聞く。
「え〜知らないよ、ってそんなこと聞くなよ〜」
と竜児は苦笑。
もうすでに二人の横で志那虎と河井は寝ているらしく、剣崎はいない。きっと一人でトレーニングでもしているのであろう。
「竜児でも知らねぇのかぁ〜でもよ、何カップだと思う?」
笑ってニカニカして聞く石松の声に、寝ていたはずの志那虎が布団から顔を出した。話し声で起きたのだろう。
「そんな話するもんじゃないぞ」
あきれていう志那虎に石松は口を尖らした。
「んでだよー、そりゃあ菊姉ちゃんには悪いけど俺ら男だぜ?んな話しねえお前らがどうだって感じだぜ」
枕を下に腕を組みアゴをのせ、ウンウンと首を振った。
「そうかなー?」
竜児は首をかしげ、志那虎は頭をかかえあきれる。
その会話を河井も起き聞いていたのだが、聞く耳をもたず布団を頭までかぶせる。
「おめぇら恋とかしたことねえのかよ?」
その質問に頷く竜児と志那虎。
「かぁーーーー!!悲しいもんだぜぇ!!恋してみろよぉ!もう胸がドッキンドッキン!」
熱く語りテンションがあがる石松だが、二人で首をかしげ
河井にいたっては大きな話し声がイライラしてきていた。
「やっぱ恋とかしたら、キスとかしたくなるぜぇ〜〜」
「あ、キスならさっちゃんが…」
竜児が思い出したかのように話すと、石松は体を起こして驚いた。
「まじでかよ!!?」
志那虎も驚くが内心、話の経由が聞きたい。
まるで修学旅行での恋愛話の暴露だ。いや、すでにそうなっている。

「うん、ほっぺに」
その言葉を聞きがっくりとくる石松となぜか志那虎。
「なんだよ〜ほっぺじゃだめなんだってぇ!!ホントのチューってよぉ、好きなもん同士で口でして甘〜〜くて、とろけ〜〜るようなんだぜぇ!!キスしてみてぇ〜〜!!」
どこからそんな話を聞いたのか盛り上がってしゃべる石松。
「ちょっ…声大きいよ」
竜児が慌てて石松に注意するが、すでに遅かった。
むくっと河井は起き、立ちあがるとムスッとして。
「…顔洗いに行ってきます。」
すぐに三人は部屋からでてゆく河井を見て不機嫌だとさとった。
「…なんであんな機嫌悪ぃんだ??」
まったくわかっていない石松。
「声がでけーからだぜ。石の声で俺も起きたんだからなぁ」
「そんなにでかかったのか!?」
びっくりし石松は理由がわかると少し反省するが
「でもよぉ〜あんな機嫌悪くならなくたってよぉ〜」
眉を八の字にし、口をヘの字にした。

実は河井がイライラしたことは他にもあった。
それは…。
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