帰りの夕日な文!

□これぞ!
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(竜剣竜)






 目がばちりと合った。火花を散らすのもあれば、次の瞬間恋愛に発展するものもある。あと、ただ単純に目が合っただけだとか。目を合わせたのは竜児と剣崎で、ボクシングをしてりる時であればライバル意識がある火花を散らすのだが今は部屋に二人きりでそれも恋仲である。目が合っただけ、と考えていた竜児に剣崎は顔を近づけると口を尖らせた。恋仲であればする行動のアレである。しかし、この意図に竜児は気付いていない。首を傾げてしまった。

「どうしたのさ?」

「この馬鹿野郎!」

ぼかっ、と竜児の頭を剣崎は叩いた。軽めならばよかったが強めである。さすがに痛くて竜児は頭を押さ涙目になってしまった。

「痛いじゃないか!」

「うるせぇ、鈍感過ぎにも程があるだろうが」

「なにが…?」

再びぼかっ。拳が振り上げられてしまった。竜児は頭を押さえてうずくまる。痛くて痛くてたまらない。剣崎は鼻息を出すと肩を下げた。付き合っているはずなのだが、この空回りは一体どうしたらいいのだろうか。振り回されている、振り回している。竜児は頭を上げると、まだ痛いのか頭を手で撫でている。

「そんなに怒らないでよ…」

「もういい」

ふん、と剣崎はそっぽを向く。なぜこんな男と付き合っているのかと悩まされるが、こんな男が好きなのだから仕方がない。鈍感で優しくて、そしてライバル。だが、これからのことを考えると前途多難のようだ。剣崎は眉間に皺を寄せたまま、溜息をつけた。すると、とんとんと肩を叩かれた。振り向けばきっと竜児は情けない顔をしているのだろう。その顔を思い浮かべながら剣崎は振り向いた。

「なんだ…?」

確かに竜児の顔はあったのだが、それは鼻と鼻がくっつきそうな距離だ。ちゅっ、と音をたてて剣崎はキスをされた。一瞬の出来事だ。剣崎は目を見開いて驚いている。竜児は照れ臭そうにしながら顔を離した。えへへ、と竜児は笑っている。頬を赤くして嬉しそうだ。

「剣崎が拗ねてたから…したくなって」

「フッ、んだよ。それ」

思うようにいかない恋愛だ、と剣崎は小さく笑う。前途多難だが、先が楽しみだ。










これぞ恋愛!
















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男前受けに最近目覚めた記念。
120903

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