甘い空気な文!

□KQの戯れ
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(※剣河前提の剣VS貴子/貴子姉さんに彼氏がいる設定だよ!)














 タイミングが悪かった。剣崎は河井の実家で貴子と会ったのだが、ここまでは河井の家族なのだから必然でもある。ただ玄関で出くわしたその時のタイミングが悪かった。貴子の横には男がいてなんでも貴子と付き合っているという話を玄関でしていた。貴子の弟の武士は祝福しているようだ。二人が先に家に上がってから剣崎も上がった。幸せそうに手を繋いで歩く二人にはこっちが恥ずかしくなる。

「おめぇならもっと怒り狂うかと思ってた」

「そんなわけないでしょ。むしろ嬉しいです」

本当に嬉しそうにする河井に剣崎は呆れた。姉への依存が強い河井だからこそ、悔しいだとか嫉妬するかと剣崎は考えていた。だが、今の河井は幸せそうにする姉が見れて嬉しいのだろう。姉が幸せなら…、嫉妬などよりかは良いが一応依存は強いようだ。部屋に向かおうと剣崎は靴を脱いで廊下に上がる。ふと、前を歩いていた貴子と目が合う。彼女は目を細めてうすく笑っていた。見せ付けているのか、それとも挑発か。剣崎は貴子を快く思ってもいない。貴子もそうだ。なにせ弟と剣崎は付き合っている。貴子の彼氏は剣崎と河井がボクシングで有名なことを知っている。そのチームメイトの一人が家に遊びに来ていることに、仲がいいんだね、と貴子に微笑んだ。貴子も微笑み返した。

「そうなの、とても仲が良いのよ。困るほどにね」

彼氏に気付かれないよう貴子は目線を後ろに送る。がちり、とその視線は剣崎と絡み合った。涼しい顔をしている二人だが、ばちばちと火花を散らしている。

「さ、僕らも部屋に行きましょ」

剣崎の内心など知らず、河井は機嫌良さそうに言った。この機嫌の良さが剣崎は気に食わない。姉が幸せそうにしているから、の笑顔だ。剣崎は口をひん曲げた。

「どうかしました?」

「いや、別に。…あぁ、そうだ」

不意に剣崎が河井の手を繋いだ。驚く河井だったが、こうして手を繋ぐのは嫌なはずがなかった。手だけでこんなに喜ぶのはいつもならないことである。嬉しいは嬉しいのだが、照れが勝ったりする。ただ、今は機嫌が良いため嬉しさは倍増だった。河井は頬を赤らめて柔らかく微笑んだ。普段では見せないほどの笑顔だ。これには剣崎も思わず赤面させてしまったが、貴子ににやりと笑って見せた。
貴子は細い眉を歪ませている。貴子の横で彼氏がどうかしたのかと聞かれ、貴子は笑みを見せた。それから頭をその彼氏の肩に置いたのだ。

「なんでもないわ」

思わず彼氏はそんな貴子にうっすらと頬を赤くした。二人の後ろでは剣崎たちもやっと足を進める。

「ほら、部屋に行こうぜ」

途中の廊下でそれぞれのペアは別れるのだが、その時も貴子と剣崎は視線を合わせた。ただ二人の相方は剣崎と貴子が冷戦状態になっているとは知らない。それよりも胸をときめかせていた。剣崎と貴子は鼻を鳴らして、廊下で別れることになった。




「「(ふん…!)」」













キングとクイーンの戯れ






















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剣崎と貴子さんは冷戦関係。常にブリザード。それもこれも河井さん(弟)が好きだからなんだよ!
120707

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