春よ来いな文!

□果実の涙
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(jojo5.ナラフー※R15)













ああ、最悪だ。
フーゴは目元を両手で押さえつけて後悔している。鼻が赤くなってぐずぐずと泣きじゃくっている。手を下ろせば目も赤くなっていた。体がダルいし、何よりケツが痛いし下半身が気持ち悪いときた。

「良かっただろ?」

声がした方に振り向けば、同じベッドにいるナランチャがえへへと嬉しそうに笑っている。何を言うんだこのド低脳は。

「んなわけねぇだろうこの馬鹿野郎」

「あんあん言ってたじゃねぇか!」

ぶぅっと頬を膨らませるナランチャにフーゴは冷たい視線を送る。

「黙れ五月蝿い馬鹿」

フーゴは吐き出すように言った。ついさっきまでナランチャと体を繋げていた。なんだかんだでキスしてそのままやってしまった。若気の至りとはまさにこのことだ。そりゃあフーゴは抵抗したのだが、快楽とは自我を狂わす。ケツの穴にナランチャの指が入った時にはそれはもうフーゴは痛さで悲鳴を上げてしまったが、一つ年上のナランチャは慌てもせず事を進めたのだから驚いた。見た目も性格もまだまだ子供っぽいナランチャは性に関してはフーゴより上だった。フーゴは悔しかったし、何より快楽に身を任せてしまった自分が何より腹立たしい。ぐずっと鼻を鳴らしてからフーゴは目を擦った。ベッドから起き上がり降りると、裸足がぺたりと床に引っ付く。

「…シャワー浴びてきます」

立ち上がってはみたが股が気持ち悪い。腰も痛みを訴え、フーゴは細い眉を歪ませた。その後ろでナランチャも勢いよく起き上がった。ぎしんとベッドがよく弾む音がする。

「あ、俺も行く!」

「来んじゃあねぇボケー」

「いいじゃねぇか!なぁフーゴォー」

ナランチャはフーゴを後ろから抱き締める。なぜこうも甘えてくるのか。やったあとのカップルというのはこういうものなのかとフーゴは考えたのだが、経験上初めてなのでわからない。そもそもカップルじゃない。やっただけの関係だ。甘い雰囲気なんてこれっぽちもない。あってたまるか。フーゴは早くこの場から離れたいと思っている。

「フーゴ?」

ぐずっとフーゴはまた鼻を鳴らした。この場にいると胸が苦しいし、顔も熱くて仕方がない。やってる最中のナランチャの顔が真面目で、ああ、なんと言えばいいのか。フーゴはその単語を言えるのだが言ってしまえばもっと悔しくなる。

「(僕より遥かに頭が悪いクセに…)」

穴に突っ込まれて痛くて散々喚いたが、気持ち良いとか思ってしまったわけで。ずっと抱き締めてくれたナランチャの腕が心地好くて、安心したわけで。キスをした時の溢れんばかりの気持ちといったら。フーゴは悔しくて唇を噛み締めた。所詮やっただけの関係。

「まだいてぇの?」

フーゴの肩の後ろからナランチャが顔を出す。純粋無垢の大きな瞳がフーゴを見つめるが、なぜ彼の顔が赤いのかなんてわかりはしなかった。。ナランチャはべろりとフーゴの涙を舌で舐めてやるのだが、しょっぱい味しかしない。首を傾げた。

「しょっぺぇの」

「…当たり前ですよ」

「顔が赤いから甘いのかと思ったのになぁ」

にひっと笑顔を見せるナランチャにフーゴは溜息をつけると、つられて小さく微笑んだ。

「…ばか」










果実の涙














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ナラフ好きなんだ…っ。せふれの関係。
120118

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