青い春な文!

□願い事
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(CPではないです)





はい、と剣崎の目の前に渡された一枚の紙。長方形に切られたピンク色をした折り紙だ。短冊である。受け取る前に剣崎は手渡してきた相手をじろりと睨んだ。短冊を渡してきた竜児はにっこりと笑っている。

「なんだよ」

「七夕だから剣崎も何か願い事書きなよ」

今度はペンもセットにして渡してきた。つい受け取ってしまったが剣崎は何も行動しない。

「フッ、んなだっせぇこと出来るか」

「別にださくないよー」

「こんな紙切れに願いを託すことがだせえんだよ」

「そうかなぁ。俺はいっぱい書くよ。まずはみんなの健康でしょ、日本jrの優勝に、ああ、あと新しいシャツが欲しいとか」

竜児は指を折りながら真剣に言い出した。

「くだらねぇ…」

本当にくだらないと剣崎は呆れた。シャツなんていますぐにでも買いに行けばいいし、優勝だって自分たちで勝ち取るしかない。健康なんて自己管理だ。剣崎は現実主義だ。

「願いなんて自分で叶えるもんだぜ」

「そうだけど…」

「それになんでピンクなんだよ」

ひらひらとピンクの短冊を揺らした。

「ピンク嫌だった?交換しよっか?」

「そんな問題じゃねぇよ」

「なんでもいいから書いてよ」

「いつから書く前提になってんだ?」

聞くが竜児は剣崎の横で短冊に字を書いている。集中しているのか剣崎の声は聞こえていないらしい。青い短冊に黒い字が書かれていく。剣崎はその様子を見ていたが、飽きたように椅子に寝そべった。目を瞑るがすぐにトントンと肩を叩かれる。目を開ければ竜児が真っ直ぐこちらを見ていた。すると堂々と剣崎の目の前に短冊を突き付けてきた。青い短冊にはこう書いてある。

"剣崎が願い事を書きますように!"

なんという単純な願い事なのだろうか。しかし、剣崎は上機嫌にくくっと笑う。くだらないが面白い。この願い事は剣崎にしか叶えることが出来ない。竜児もにっと笑った。

「玄関前に笹があるから後でくくりにこいよ?」

そう言うと竜児はその場から立ち去る。剣崎は何も言わず背中を見送ったが、もう頭は短冊に何を書こうか考えている最中である。








ピンクに願いを!












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竜ちゃんと順の誕生日を祝えなかったので意識しました。
二人は親友。
1007070

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