黒猫小屋

□暗闇で口付けを…
1ページ/14ページ





ぽっかりと空いた月が雲に隠れたら

闇夜に紅い華を飾りましょう

始まる恋は飽くなき情熱

消えぬ感情に感傷を乗せて






[暗闇で口付けを…]







「たまにはお洒落にお酒が飲みたいわ〜」




始まりはナミの何気ない呟き。
確かに海賊なのだからジョッキでラムやワインをあおるのが普通かもしれない。
だが、女ならば雰囲気も味わいたいもの。

ならば、と食料調達に立ち寄った小さな島で様々な酒を購入し、船内でしっとりとバーを開くことになった。




「へぇ。雰囲気出てるじゃない」

「だろ?結構こだわったんだぜ!」




普段のダイニングにキッチンを挟むようにしつらえられたバーカウンター。
シックな黒塗りが雰囲気をより一層盛り立てている。
急場でこしらえたにしては上々の出来で、作ったウソップも鼻高々に胸を叩いた。

集められた酒類も島の特産物だけあって、種類が豊富に集まっている。
値段も格安であったため、ナミとしても無駄な浪費にならず満足している様子だった。

一夜だけのカクテルパーティー。
停泊させた船から笑い声が響く。







次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ