黒猫小屋

□イヴへの手紙
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俺は一体どうすればいい?

お前に何て言えばいい?

何度も何度も
言葉は躊躇って

結局、屑籠の中










[イヴへの手紙]










星空が船上を覆い、青さを隠し始めた頃。
彼はコックに怒鳴られ、その人を呼びにいく羽目になった。
いつもなら亥の一番にやってきているはずの彼が、現れなかったためである。




「くそっ、何で俺が…」




忌々しいコックの耳に届かないところで、彼は小さく悪態をついた。

新調したこの船は前のメリー号よりもずっと広く、彼は"その人"がどこにいるかさえ検討つかない。
食堂に行く前には甲板にはいなかったから、船内なの確かなのだが…
部屋数も増えた為に、何度も同じ場所を出入りしてしまっていた。




「チッ…ウソップの野郎、どこにいやがるんだ…?」




キョロキョロと辺りを見回し舌打ちをする。
方向音痴のせいで見つからないとは思いもせず、彼はウソップが隠れているとでもいうように、あちこちを覗き込んでいた。






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