黒猫小屋
□ぶらざーそうる
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人懐っこいとでもいうのか、愛嬌にユーモアを兼ね備えているであろう人柄が警戒心を緩和させる。
弟にも似た明るい雰囲気は感じるが、あの底抜けの馬鹿よりはずっと周りに気を配る感もあるし。
などと珍しく人間観察をしていると、その彼が訝るようにエースに声をかける。
「…何か、アンタがルフィの兄さんって、未だに信じらんねぇ…」
「おっ。じゃあお前が弟になるか?」
まじまじとそう言われるものだから、彼はついおかしくなり、冗談混じりにそう言って笑った。
ウソップはまた顔を大きく横に振る。
それが必死な顔なものだから、彼にはおかしくてたまらない。
「あっはっは!!冗談だよ!!」
腹を抱えるようにして笑って背中を強く叩くと、咳き込むウソップに悪いと言いながら彼は力強く燃える炎を見つめた。
「それに、アンタは"弟"っつーよりかは、"兄貴"ってタイプだ」
その炎を瞳に宿したままエースはウソップに笑いかける。
彼は勿論キョトンとした顔でエースを見つめ、言葉を濁すように曖昧に笑い返した。