黒猫小屋
□ぶらざーそうる
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なにせ、こんなに兄貴然とした人物に"兄貴タイプ"だと言われたのだ。
からかっているとしか思えない。
だが彼はその真っ直ぐに笑った表情を崩さず、頬杖をついて炎をつつくとまたその笑顔をウソップに向けた。
「故郷に弟とかいんだろ?」
「え?いや、弟は…」
そう言いかけてウソップは言葉を止める。
弟はいない。一人っ子だから。
だが、故郷にはアイツ等が…大事な弟分たちがいる。
それが頭をよぎって、俺は静かに感心したように頷き返した。
「…弟はいねぇけど、たまねぎやピーマンやニンジン…弟みてぇな奴らなら故郷にいる」
ウソップがそう答えると、彼はやっぱりなと満足そうに笑っていた。
その歯を出して笑う様はどことなくルフィに似ていて、そして彼よりもずっと大人の匂いを醸し出している。
いつか憧れた、格好いい大人の代名詞のように。
「いつもうちの弟の相手してくれてんだろ?面倒見良さそうだもんなぁ」
「いや、俺はいつもルフィと馬鹿やってるだけだし…」
「それでも、あいつよりかは馬鹿やってねぇだろ?」