黒猫小屋

□ぶらざーそうる
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からかうわけではなく、ただ口元に笑みを浮かべてエースがそう言い、ウソップはそのまま返す言葉に詰まってしまう。
なんというか、当たっているのだ。

確かにいつもルフィとは連んで馬鹿なことばかりやってはいるが、最後にセーブをかけるのは自分で、客観的に何をやっているのか把握しているのも自分であったりする。
つまり、より冷静であるのはウソップだということ。


「ありがとな、弟の面倒みてくれてよ」


この隣にいる男は飄々とした態度の後ろに、しっかりと人を観察する目を持っているようだった。
ウソップは笑っている彼に戸惑いつつ、静かに頷く。
男はそれに尚も楽しそうに笑っていた。


「じゃあ、兄貴同士仲良くしようじゃねーか!」


エースは上機嫌にそう言うと、ウソップの肩に腕を回して焚き火の炎に力を込めた。
途端、細い火柱がぼぉっと立ち上がる。
まるで彼の高ぶった気持ちを表しているかのように、瞬間的に高く伸びた炎は熱く辺りを照らし出した。


「おわ!び、びっくりさせんなよ、お兄さんっ!」

「お兄さんか!いい響きだな!」






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