黒猫小屋
□暗闇で口付けを…
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バーカウンターに立つのは二人のバーテンダー。
いつもの黒いスーツを着たサンジと、バーテン風の灰色のスーツに蝶ネクタイをしたウソップだ。
二人とも髪を括って爽やかに決めている。
雰囲気を出した薄明かりの中、二人の姿はよく映えた。
「さぁ、レディ達は何に致しますか?」
「そうねぇ…どうする、ロビン?」
「まずはアルコール度の低いものからいくのはどうかしら。」
「うん、そうね!じゃ、サンジくんお願い」
ナミの言葉にハートを飛ばしながら、サンジが"アイアイサー"と返事をする。
腑抜けた顔をしてはいるが、シェイカーを持てばその顔は一瞬で"料理人"のものに。
手際よくシェイカーに氷と材料を注ぎシェイクをする様は本物のバーテンダーも顔負けに、ナミとロビンは感心してクスクス笑った。
「はい、バラも恋するロビンちゃんには…これだ!」
"キス・オブ・ローズ"と囁いて出されたそれは、甘いバラの香りが漂うショートカクテル。
その名の通りの柔らかなローズレッドに、満たされたソーダが爽やかに踊っている。