黒猫小屋
□暗闇で口付けを…
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わたわたしながらも胸を張ってそう言った彼に、二人は互いの顔を逸らして鼻を鳴らした。
ハラハラしてそれを見ていたチョッパーが、置かれたシェイカーを指さす。
一瞬忘れられたそれを慌てて氷入りのグラスに注いで、何やら水のようなものを中に注いだ。
「薄めんのか?もったいねー」
「アホ。飲みやすくすんだよ」
そう言いいながらカットオレンジとチェリーをグラスに飾り、それをルフィの前に差し出した。
「お。俺のか!」
「おうよ。その名も"モンキー・ミックス"。お前にピッタリだろ!」
彼とその名前に掛けたカクテルはナミのものと良く似ている。
だが、香るそれはより南国に近い。
またもウソップを賞賛しながら、ルフィがそれを口に含んだ。
とたんに広がる南国の風と甘味。
それを刺激する炭酸の辛さとトニックの苦みが混ざりあって、柔らかながらも強い味わいを残す。
酒にこだわらないルフィでもそれを気に入ったのか、グイとそれを飲み干した。
「オイオイ…」
「あぁ、そんなに強くねぇから平気だ。…ほら、ぞろは強いのだったよな?」
「ん?あぁ…」