黒猫小屋
□イヴへの手紙
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と、フと彼の視界の端に明かりが見える。
今現在クルー達は皆食堂にいるのだから、あれが食堂でないのなら明かりがついているのは誰か他の人物が居る証拠。
ゾロはやっと見つけたことに鼻を鳴らし、意気揚々と扉を開けた。
「おいウソップ!テメェ……ん?」
大声で怒っているフリをしてその背中に声をかける。
すると、その人物は机に向かい書き物をしていたらしく、ゾロの声に飛び上がるほど驚くと派手にインクを零してしまっていた。
「…なにやってんだ?」
「な、べ、べべべ別に何もしてねぇよ!」
「動揺しまくりじゃねぇか…で?」
「あっ…!」
慌てて何かを隠そうとするウソップに、ゾロが溜息を吐きながらそれを掴む。
掴んだのは一枚の紙切れ。
傍らには封筒らしきものも置いてある。
両方とも零したインクで真っ黒になっていたが、何をしていたのかは明白になった。
「…手紙?」
「わ!ば!見るな!」
「見るなって、真っ黒でわかんねぇよ」
「そ、それでもだっ!」