黒猫小屋
□イヴへの手紙
4ページ/13ページ
「で、そん時に助けたペンギンがよぉ」
「…あ、なぁウソップ」
「あ?なんだよ話良いところだろ〜」
「わりぃ。でもよ…」
皿を泡まみれにし、ゾロが手を止める。
ウソップは話を中断されたことに不満の顔を見せるが、彼が何か聞きたそうにしているのが分かると、その手を止めてゾロを見上げた。
真っ直ぐに見上げられたその瞳。
ゾロはそれに一瞬躊躇するも、沸き上がる好奇心はそれを上回る。
コホンと一つ咳払いをすると、世間話の続きでもするかのようにまた皿を洗い始めた。
「…手紙…」
「…へぁ?」
「手紙だよ、さっきの。誰宛か、気になってな…」
そっけなく、さりげなく、別に嫌ならいいとでも言うように彼はウソップを見ることなくそう言うと、次の皿を掴んでチラリと彼を横目で見下ろす。
ウソップはそんなゾロをポカンと口を開けて見上げていた。