頂き物

□“唯一の…”
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……やっと帰って来てみりゃ…



なんで誰もいねぇんだ?




帰って来た屋敷には幸村はおろか他の十勇士の姿も気配も感じられない。




まさか何かあった…ってのはないな。


幸村に何かありゃオレに知らせがくる。

さてどうしたもんか…


甚八が思案していると警備の兵が通りかかる。


慌てた様子の彼に声をかけるか多少迷った甚八だったが
“早く幸村の顔が見たい”と声をかることにした。




「すまねぇが幸村どこにいるかしらないか?」




甚八に声をかけられ驚いた表情をした。



「根津殿?!
幸村様とご一緒ではないのですか?!」



はぁ……??
“幸村と一緒じゃない”って?
幸村はどこにいったんだよ?




「幸村はどこに行った?
それと他のやつらはどうした?」



甚八は慌てる警備兵を宥めながら話しを聞く…


「他の十勇士の皆様は任務で出払っておりまして……
幸村様は“甚八が帰って来た迎えに行く”と…」

……心配してると悪いって知らせを入れたのが間違いだったか…


「根津殿…
ここ数日、幸村様は毎朝毎晩あなたの無事を祈っておられました…
差し出がましいですが…早く幸村様に顔を見せて差し上げて下さい。」



「あぁ勿論」



警備兵に返事をすると俺は姿を消した。


俺を迎えにって事は信玄公の屋敷に向かったのか…
完全に入れ違いだな。




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