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□自称兄と通称オカンの奮闘記
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あーもう、似なくていいとこばっか似ちゃうんだから…








自称兄と通称オカンの奮闘記









『何か用があれば呼んでね、まぁ多分すぐに来れるだろうから』


周りを敵に囲まれながら、ルークはふいに自分へそう言った派手な忍びを思い出した

彼は確かに呼んだらすぐに来てくれた
大声でなくとも、普通は聞こえないだろう音量でも、どこにいてもすぐに姿を現した

ただ、それは屋敷にいた頃の話

今ルークは自分がどこにいるかも分からない
いや、屋敷から遠く離れてしまったことだけは分かる


「和平にご協力頂けますか?」


心からのもとのは程遠い、薄っぺらい笑い
それが分かるのは、いつも太陽のような笑みを浮かべる男が隣にいたからだろうか

ルークは目の前に立つジェイドを上目で睨みつけた

返ってくる笑みに、視線をおとす
どうしていいか分からない

和平の協力と言っても、何をやっていいかさっぱり分からないのだからできるはずがない
了承しようものなら相手の好きなように使われてしまうような気がした

だが、断ったら断ったで使われるのは確定している


「――――――――――――…、」


協力するのが当たり前だと後ろで騒ぐティア
かすかに呟いた声はその声にかき消される

ルークはぎゅっと手を握り、息を大きく吸い込んだ

いつも大声で叫びながら庭で鍛錬をする男のように
彼が敬愛する主の名前を呼ぶように、ルークも自分を守ると言ってくれた男の名前を叫んだ


「――― ッサスケェ!!!」


狭い部屋に突如響いた大声
一瞬面喰った周囲は目を見開いてルークを見る

その一瞬で十分だった



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