女体化

□ヴォイスヒーリング
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朝の陽射しが降り注ぐ中。

「総悟ォォォォッ!!」

スパァンッ、という小気味良い音とともに、総悟の部屋に現れたのは土方だった。
走って来たのか、息は乱れ柔らかい頬は紅潮して、情事の様を思い出させる。

「朝っぱらから色気振り撒いてどうしたんでィ?」
「…………」

いつもなら、すぐさま反応するだろう揶揄いにも、土方は黙ったままだ。

「土方さ…」
「血が」
「ち?」
「血が出た」
「……どこか怪我でもしたんですかィ?」

怪我如きで土方がここまで狼狽えるとは、よほどのものなのだろうか。

「違う。…朝、便所に行ったら」
「血尿ですかィ?」

アンタのストレスもついにそこまで…。

「やっぱ血尿なのか?でもコレ止まんねェんだけど…腹もイテェし」
「はぁッ!?止まんなくて腹痛いってアンタそれまさか…」

所謂生理ってヤツですかィ?、と総悟は呆然と呟いた。

「せーり?…せーりってせーりって……あァッ!?」

同じ単語を何度か反芻してやっと思い当たったらしく、土方が短く叫ぶ。

「嘘だろオイ…」
「血尿なら出っ放しってこたァないだろィ?だったら可能性は一つしかねェじゃないですかィ」

なんてったって今アンタは女なんだからねィ…。

「マジでか」
「初潮おめでとうございやす、土方さん」
「めでたくねェッ!!どうすりゃいいんだよコレ…」
「まぁ、まずはナプキンと痛み止めですかねィ」
「なぷ…?」

聞き慣れない単語に、土方が疑問符を飛ばす。

「ナプキン。そんままじゃ血がだだ漏れだろィ?だからソレ専用の綿みてェのがあるんですぜィ」
「へぇ…。確かにティッシュじゃ追っつかないもんな。てか、良く知ってんなお前…」
「勉強したんでさァ」

アンタの為にね。

「へぇ…」
「じゃあ、薬局にでも行くとしますかィ」
「…買いに行くのか?俺が」
「他に誰が行くんでィ?」

そんなモノ他の誰に頼むというのだ。
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