咎狗小説

□嘘と言う名の枷 
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 エイプリルフールなのでちょっとやってみようかと思ったのですが見事に惨敗…

 とりあえずこんなんでも4/20まで配布いたします
 持ち帰り自由です

 シキが偽物くせぇ……





『嘘と言う名の枷』


「シキ…もし俺があんたを好きだって言ったらどうする?」
昨晩散々甚振られた身体をゆっくりと起こし窓際で外を眺めていたシキへと顔を向けた。投げかけられた相手は大して興味が無いのか視線さへ向けようとしない。
「……やっぱり殺すか?」
返答の無いまま無駄な無音の空間が広がる。彼からの答えをもらう事を諦めベッドに横になろうと背を向けた時だった。
「…そう言うなら愛しているとでも返してやる」
「…………はいっ!!!?」
シキからありえない言葉を聞き驚愕の表情で彼の顔をマジマジと眺めるが、その表情は何時もと変わりなく無表情を貼り付けている。
頭の中では幻聴だったのではないのか?と己を落ち着ける為色々なイイワケを考えていたが、それを更に彼は混乱させた。
「それとも一緒になろう?とでも言って欲しいか…」


………この人誰ですか!?

窓から離れベッドへ乗り上げてくると2人分の体重でベッドが軋む。無表情なのか真面目なのかイマイチ分らないシキの表情が徐々に迫ってくるのにアキラは呆然と眺めていた。寧ろ頭が混乱し過ぎて体が動かなかったのだ。
「お前は如何して欲しい…」
さらりと頬を伝い首を撫でてくる手がくすぐったさを感じるも正面からぶつかる赤い目があまりにも強く逸らす事ができない。
「……シ…ッ」
変な緊張からか言葉が上手く紡げずに擦れる。撫でていた手が下がり胸を触りそして腹へと下りてくる、アキラのもっとも弱いピアスに触れれば妙な熱が身体を蝕んでいく。
このままではマズイと動かぬ腕を無理矢理動かし彼の体を押し戻せば、やっと彼の表情が変わった。口の端を微かに上げ眼を細める。
「俺を試したかったのだろう…愚かしい事だな」
「…くっ」
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