過去拍手SS
□過去拍手SS集
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〈彼女の奇行?:修兵〉
「おい…お前さっきから何やってんだ?」
こいつは何だっつーんだ?
このクソ暑い時に、頭からすっぽりタオルケット被って、ズルズルとそれを引き摺りながら、部屋の中を彷徨ってんだけど?
おまけに窓も全部閉めきって…
「お前…それ暑くねーのかよ!?」
暑苦しい被りものをズルリと剥ぎ取れば…
「うわっ!?お前っ、なに涙目んなってんだよ?」
今にも泣きだしそうな顔で、恨めしそうに俺を見る。
「ぁあ?カミナリぃ!?
それがどうかしたのか?」
―すると突然、稲妻の光と共に雷鳴が轟いた。
あいつは、声もたてずに頭を抱えてその場に蹲り、よく見れば微かに震えてる。
「もしかしてお前…
カミナリだめなのか?」
自分の恋人がカミナリ嫌いだとは初めて知った。
俺がいない時にお前は…
部屋中の窓を閉めきり、タオルケットを被り、声も出ないくらい怯え、ひとりでずっと震えて蹲っていたんだ…
普段、大抵の事では動じないこいつがか?
唖然とする以前に…
お前、かっ可愛い!?
「ったく!しょうがねぇな…」
さっき剥ぎ取ったタオルケットを、今度はふたりで頭から被り、ギュッと抱き締めてやる。
いつもは抱きつくと『暑苦しいからやめてっ!』と邪険に振り払われるけど…
へえ〜?こりゃカミナリ様様だな♪
この夏、お前の可愛い秘密をひとつ発見☆
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