アズカバンの囚人

□夏休み…参
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「あー…気持ちわる…」



ただいま俺は里帰りしています。
と、いうか…セブルスの姿現しで町の近くまで来ました。さすがに町中で魔法を使うと混乱するからって、配慮らしい。



「日本は湿気が高いな」

「あぁ、そうだな」



ガラガラとキャリーケースを引きずってる俺は久しぶりの日本の夏に、すでにやられそうです…
セブルスは相変わらずブスッとした顔でボストンバックを持っています。



「…あら?ツカサちゃん!帰ってきたの?」

「あ、ママさんお久しぶりです〜」



町に入るとすぐに声をかけられた。振り返ると青いヒゲがうっすら口の周りにあるおじさんが腰をくねらせて声をかけてきた。こんな見た目だけど、家庭的な一面もあって、俺はこの人に料理や洗濯掃除など全ての家事を教わった。オヤッサンは和菓子作り意外の家事が出来なかったから、ここまで生活できたのはママさんのおかげと言っても過言じゃない。マジ命の恩人。



「また一段と可愛くなったんじゃない?」

「いやぁ、ママさんには負けますよ」

「…なんだ、あいつは?」



セブルスが若干引いています。まぁ、一見ただの変態だもんな。



「こちら、オカマバーのママさん。料理とか家事のやり方を教えてくれた人。こちら、俺の同僚のスネイプさん」



お互いに紹介したら、すごい勢いでママさんに道の端っこまで連れて行かれました。



「男と里帰りなんて…あの男に嫁ぐの?」

「違うから!日本に興味があるっていうからついでに連れてきただけ!」

「あら、そうなの?」



セブルスのところまで戻ると、野太い声で「つまんなーい」とか聞こえたのは無かったことにする。



「じゃあ、オヤッサンに挨拶してくるよ」

「はいはい、いってらっしゃい」




ママさんはまた腰をくねらせて手を振った。それから歩くたびに色々な人に声をかけられた。そして、目的地である和菓子屋に到着した。俺は深呼吸をして、戸に手をかけた。



「オヤッサン、ただいま!」

「へい、いらっしゃ……こンの糞餓鬼!!」



ガラガラっと戸を開けた瞬間、威勢の良い声と一緒に下駄が飛んできた。俺が反射的に顔の前で手をクロスさせてガードしたから、ダメージは最小限に抑えられた。



「なにすんだよ!」

「帰ってくるのが遅い馬鹿息子!」

「悪かったな!和菓子馬鹿!」

「……で、セブルスも来たのか!久しぶりだな」

「ご無沙汰しております」

「おう!自分の家だと思っていいからね!…ツカサ」

「なんだよ!」

「おかえり」

「お、おう…」




そんな感じで俺とセブルスは久しぶりの我が家に歓迎された。
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