*魔人探偵脳噛ネウロ*
□監視
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アヤ・エイジアが捕まった翌朝。
淳はいつものようにリビングで新聞を読んでいた。新聞の一面にはアヤさんと弥子の写真が大きく掲載されていて、飲んでいたコーヒーを吹き出してしまった。しかもブレた写真だったが、淳がスタッフを倒している写真も載っていた。
「今回のネウロの目的がコレだったんだ…」
今ごろ学校で人に囲まれえて青い顔をしているであろう弥子を想像し、淳は昨日のスタッフに殴られ青アザになっていた腹が別の意味で痛み出すのを感じた。
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大きなサングラスひとつでオーラを隠すアヤを見習い、淳はワックスで髪型を変え、普段はかけない黒縁の伊達メガネをかけて大学に臨んだ。おかげで誰にも淳だとバレずに済んだ。授業が終わると、淳はすぐにバイト先に向かった。
「…らっしゃい」
「お疲れ様です、忍さん」
吾代はレジ台に足長いを乗せ、陳列させるはずのジャンプを読んでいた。
「あァ?……なんだ淳かよ。イメチェンか?」
「なんだって…ひどいですね」
淳は苦笑し、レジ裏の控室に入って、出勤カードに時刻を印字し、ロッカーから出した制服を服の上から着た。
「実はネウロのせいで、弥子と一緒に全国ネットのさらし者にされまして…」
「あァ?」
「…もしかして昨日のアヤ・エイジヤさんの歌番組、見ていませんか?」
「いや、昨日はシフト入って、これから録画した奴を見る」
「そうですか。実はネウロが…」
淳は昨日の出来事と一緒に愚痴を零そうとしたが、自動ドアが開いて来客を知らせるベルが鳴った。淳は咄嗟に営業スマイルを浮かべ、「いらっしゃいませ」と言おうとした。しかし、コンビニに入ってきた人物が弥子とネウロで、淳は一瞬固まった。
「ゲ!!て、てめえら!何しに来やがった!」
「…なんかショックー…てっきり裏の世界で働いてると思ったのに…お兄ちゃんとコンビニで働いているなんて、イメージ崩れたな」
「とりあえず手に職つけたんだよ!てめーらに追い出されたせいでッ!」