*魔人探偵脳噛ネウロ*

□爆破
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いつもと変わらず、客の来ない事務所で淳・弥子・ネウロは三者三様のんびりしていた。



「開いてるけど、ジャマするよ」

「…あ!笹塚さん!?」



笹塚がビニール袋を持った手で風通しのために開けていたドアをノックした。



「ホントだ、笹塚さんだ」

「しばらくぶりですね。どうされました?」

「…いや、どうってこたないんだけど。なんか事務所開いたそーだからさ。挨拶ぐらいしとくかと思って、一応祝い品」



淳と弥子は笹塚の近くまで行き、招き入れた。笹塚は事務所を見回しながら、弥子に持っていたビニール袋を渡した。



「わざわざ、ありがとうございます」

「…何だろ?」

「こら、まずはお礼だろ?」

「あ、笹塚さんありがとう!」

「ったく…躾がなっていなくて、すみません」

「いいよ、別に」



受け取った弥子はいそいそと袋を開けて、中の物を取り出した。中身を知った瞬間、笑顔になった。



「わぁ!たこわさッ!」

「俺がいつも買ってるデパ地下の。多分いけると思う」

「大好き!ありがと〜笹塚さん!ごはんいくらでも食べちゃう」

「俺の分も残してよ?」

「弥子ちゃん、独り占めはダメだからね?…俺は酒のツマミなしてんだけど」

「うんうん。ビールともポン酒とも相性バツグンなんですよね〜」

「え…飲んでんの?もしかして」



笹塚は冗談には見えない顔で、手錠を出して見せた。笹塚にからかわれたんだと気づいていない弥子は慌てて弁解をした。



「はッ!い…いやいやいや!まさかァ!親がそう言ってたんですよォ!や、やだなァ手錠なんて!ははははは」

「笹塚さん…俺、もうすぐ二十歳なんで、誕生日来たら一緒に飲んでくれませんか?」

「二十歳になったらね」

「お兄ちゃん、ずるい!」

「ところで笹塚刑事。ご用件は本当にそれだけでしょうか?」



話の腰を折るように、ネウロはいつもの好青年な顔で聞いた。



「……それだけ…?」

「はい、何か他に…聞きたい事がありそうな顔をしてるもので」

「んー…あるっちゃあったんだけど、まぁいいや今日は。この事務所いろいろと突っ込み所ありそうだからさ。話してたらそっちの方、目が行きそうだから」

「…突っ込み所…?ふぉァッ!!」
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