長編置き場@
□偽 D
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「何言って…」
悪い冗談じゃろ…?
同性相手になんて…
「私は本気でアナタが好きです、仁王君」
眼鏡の奥にある真剣な眼差しに目を逸らせない。
「仁王君だって、私に惹かれている…。違いますか?」
「よう分からん…」
確かに、俺は柳生に惹かれとるのかも知れんと思う。
でもその反面、この雰囲気に飲まれ騙されているような気もする。
俺の気持ちが、なんでこんなに揺れとるのか分からん。
なんか、ペテンに引っかかっとる気分じゃ。
…詐欺師も形無しじゃのう。
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