土榎r-novel
□朝までは…
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とてつもな無く甘い契り…身体中を這い回る優しい手に翻弄され。優しく溶かされる孔。
そして、悪戯なセリフを吐きながら痺れる感覚と共に訪れる陰茎。
勿論、果てる時は…イくって強張って名前を囁く
とても背徳的。
それでも味を占めたら癖になる。
少し感じる罪悪感さえも心地が良い
「アあぁっ、ひ、ンんッ…あぁ気持ちぃ…のぉ─…も…もっとッ!」
「っ、締め付け過ぎ…」
上から沢山の汗が降り注いで、忙しない息が触れ合う距離
グチャグチャな粘着質な音が耳に谺し続ける。
きっと、いま頭の中の回路も音にして現すと同じかもしれない
何もかも掻き乱され。時々、一番奥を引っ掻かれては亀裂が身体を駆け巡る。
無意識に背中へ爪を立てながら縋って首を振るうと、
汗ばむ頬に張り付いた髪を避けて撫でてくれた
「ああぁぁぁぅ…!!悦イぃ─…く、奥っ、奥ぅう…!」
「…ッ─…」
本当に身体が破かれるかもしれない、なんて思うくらい激しく貫く勢いに、知らない間に涙が出る
乱暴なのは余裕が無い証拠。息を詰まらせた後、中のモノが引き吊った瞬間に
そこが焼けるような熱で満たされた
「っ、ふあぅ!…あついぃ─…ッやああぁ!!」
熱に押し出されたよう急激な解放感に苛まれ。
意識ごと目眩がして身体が震え上がる
浮世離れしたこの瞬間が堪らなく好き
嫌と言う程いつも脳裏で渦巻く現実や、何かを考える余裕も無く。
ただ、あるのは虚空
濁った視界は何も見えなくて、
必至に空気を肺に送り
ただビリビリと脳天まで麻痺する余韻に浸る
まるで強い劇薬でも呑んだ気分
「…このまま、死ねたら楽なのに─…」
なんて不意に言葉にしてみたら、彼は眉を崩して苦笑した
「バカ言うな…総裁」
その肩書きと共に正気を取り戻したら感じる罪悪感は、きっと悲観的な視点から現実を見ているから
甘い契りに身を委ねたあの瞬間に、現実逃避した事への罪意識
「そう言わないで…朝までは」
意地悪い唇を自分ので鬱ぐと、それはそのままに、
物凄く優しい手付きであやすよう抱き締められた
終
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