Serial-novel

□総裁がイク!@
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とある日の蝦夷。外は視界一メートルも見えない程の雪に見舞われていた。
地吹雪がガタガタと窓を激しく揺らす会議室で
今日は榎本と松平を始め、荒井と大鳥の両陸海奉行と土方を含めて話し合いをしている。

気難しい内容からして場は(一部のみ)険悪気味だ

「だーかーらっ!何度言えば気がすむんだ土方君はっ!?」

「何度聞いても、アンタが馬鹿としか思えねぇ」

「ッ、なんだとっっ!!」


「あ、荒井さん。私の分もお茶のおかわり貰えるか?」

「はい。閣下のコーヒーも新しいのを」

「うん、銀ちゃんに伝えて。ってかさァ、さっきから陸軍煩いんだけど…」

あーだ、こーだ。と白熱し続けている一部はそのままに、荒井はお茶の追加を頼みに部屋を一度退出した

外の天気はいつしか吹雪と一緒に雷まで伴い始めているらしい。
ゴロゴロと空の呻きが遠くから徐々に接近している

「天気も最悪ぅ〜」

榎本がぼんやり外を眺め呟いたその時、
外で稲妻が走り間髪入れずに雷が轟く

「えっ、近くに落ちたかも!?」

榎本が椅子を避けて立ち上がった更にその直後、
荒井が戻り扉を開いた瞬間ビュオォと強い隙間風が部屋に流れ込み

灯りが消えて真っ暗闇に

「あ、灯りお願─…きゃうっ!!??」


闇の中で榎本が跳ねた


「いいいい今、誰か耳舐めたァっ!?」

取り敢えずその方向に手を伸ばしたが、誰にも触れない。
その反対側から今度は突如、内股を誰かの掌が撫で上げた

「ふゃ、わっ、ちょ何すんの!?」

来る方向に手を出してもやはり何にも触れず、次は背後から尻をギュッと鷲掴みされる

「わぅッ、誰!?土方くん?!」

まずは真っ先にその名前が出たが、返事は無い

「もー、太郎さん?」

と言っても、やっぱり返事は無く榎本は少し焦る


「圭介!荒井さん!?」


誰一人の声もしない


「え、ちょっとみんな!?…ふぎゃっ!」


ドタンっ!!
不安になり部屋を脱出しようとしたが闇の中で榎本が仰向けにコケた…と言うか、床に押し倒されのだ

いつしかシャツが捲り上がり掌が入り込む

「嫌だ嫌だ!!一体だれっ!?いい加減にッ─…」


「失礼しま〜す!」

ガチャとお茶を持つ田村が扉を開き。漸く部屋に廊下から光りが入った


「あ、ごめんなさい…」


躊躇ぎみに言う田村が扉を開けたまま瞳を一度パチッと瞬かせる。榎本もやっと自分の状況を見れば

荒井がシャツを捲り

大鳥が腕を押さえ

松平がズボンに手を掛け

土方が胸板に触れていた

ってか、全員で榎本を囲んで床に固まっている訳だ


「榎本さん怖かったろ?側に居てやろうと思って」

と土方

「灯りを探してたんですが、間違えましたか」

と松平も微笑む

「いや、雷に驚いて縋ったのがたまたま釜さんでね…」

大鳥が言えば

「閣下のヘソは私が守ります!」

荒井が答えた



「コラ━━━━━っ!!!」

外の雷と共に榎本の怒号が奉行所に響き渡った




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表で莓さまから頂きました愛され総裁でした。…もはや、『愛されてる榎本さん』じゃなくて『遊ばれてる榎本さん』に(笑)



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