□二十歳の誕生日*
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※ほぼ強姦




平たい胸を。

しつこいくらいに手のひらと指と、そして舌で触る。

「ん…っ。」

兄さんが呻く。固く目を閉じたまま。

「兄さん」

始まってからずっとこうだ。催促しないと目を開けてくれない。

「兄さん目を開けてよ」

スルリと手を兄さんの内股に滑らせれば、

「ぅ…っ」

また小さく兄さんが呻いた。

「ねぇ、ほら目を開けて」

真っ赤な顔を、両腕で隠してる。その隙間からゆっくりと、いつもより潤んだ金色が僕を見た。

「…そう、ちゃんと目を開けて、今兄さんが僕に何をされてるのか見て」

しかしまたすぐにギュッと、金色が閉ざされてしまった。

『一度だけだから』と頼み込んで渋々受け入れてもらったセックスの申し出。

兄さんはこの行為を好きで受けているわけじゃない。…少し切ないがそれ以上に兄さんを征服する興奮の方が勝った。


ごめんね、嫌だよね。実の弟からこんな仕打ち、受けるなんて思いもしなかったよね。

そんな事を思う反面、やめる気なんてさらさらない僕。…知らなかったけど僕ってやつはかなり鬼畜なんだろう。

だって、嗚呼、興奮するんだ。

外で目つきの悪い生意気なクソガキとか呼ばれちゃったり(確かに心を許した人じゃないと兄さんの他人に対する態度は結構酷い)、普段ぎゃんぎゃん子どもみたいに騒ぐくせに錬金術の事になると別人みたいに真剣で大人っぽい顔つきになったり、でも時々職権乱用して我が儘言ったり…。

猫みたいに勝手気ままって感じの兄さんだけど、家族には馬鹿みたいに優しい。僕なんか命を投げ出す程愛してもらってる。家族以外にはほとんど見せないエドワード・エルリックの柔らかい一面だ。

僕はずっと惹かれていた。

家族としてではなく、こうやって肉体的関係を持ってみたいと願っていた。


勿論肉体だけでなく心も繋がりたい。…けど、兄さんの思考回路ときたらいかに僕に普通の幸せを掴ませるか…そればかりだ。

当然兄さん本人が僕の『普通の幸せ』を邪魔する要因になるなんて許せるはずもなく。




「兄さん、声出していいのに」

唇を噛んで声を出すのを我慢する兄さん。顔は逸らされ、目も相変わらず瞑ったまま。…体は僕に投げ出されているのに、何だか固く閉ざされた貝を連想させた。

「兄さんの声、聞きたいよ…」

やっぱり唇は噛まれたまま。

ならばと僕は兄さんに強い刺激を与える事でムリヤリ声を出させてみる事にする。

兄さんの足を高く持ち上げて、僕の肩で受け止める。そして、わざと兄さんから見える位置で僕は兄さん自身を口に含んだ。

「…ぃっ…あ…っ!?アル!?」

肩で兄さんの太股がビクビク震えた。驚いて思わずこちらを見た兄さんと目が合った。

「―――――――――ッ!!」


兄さんは一瞬驚きと恐怖と、羞恥が混じったような目をしてすぐ両手で顔を覆った。

「い…いやだ、それ、やめ、ろ、汚い…っ」

小さく小さく呟かれた言葉。

「汚くなんかないよ、兄さんの体にそんなところない」

僕も意地が悪い。兄さんが恥ずかしがるのをわかっていながらわざと音をたてて兄さん自身を口で扱いた。

「ぁ…く、はぁ、あ…っ」

艶っぽい喘ぎ声が兄さんの口から漏れる。

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。五感全てが兄さんの痴態に興奮している。

痛いくらい、僕は張り詰めてしまってる。

どうしよう、早速だけどもう、いいかな。余裕、ないや

僕は一旦兄さんから口を離すと、人差し指を口に含んで濡らして、兄さんの秘部を押した。

「!?」

ビクッと、今までにないくらい兄さんの体が跳ねた。




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