CODE GEASS

□愛と憎悪 前*
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「ペット。」

開口一番の言葉がこれでは

「…はぁ?」

ルルーシュが不愉快そのものと言った表情で不可解そうにそんな声を発しても仕方がなかった。

突然意識が飛んで次の瞬間目を覚ますと、全く知らない部屋だった。

ルルーシュはベッドの上でシャツ一枚と下着だけという姿で横たわっていて、左目は真っ暗、ギアス防止策だろう、何かが付けられているのは感覚でわかった。それともう一つ、首にも違和感を感じて手をのばせばあまり想像したくはないが首輪のようなものが巻き付けられていた。ご丁寧に鎖まで。

一体これは何なのか。とりあえず牢獄に放り込まれた訳ではなさそうだが穏やかな状況でもないようだ。そんな事を考えながら上体を起こし、そうして突然背後からかけられた言葉が『ペット』だったのだ。




「君を飼う事にした」
「意味が分からない」

「そのままの意味だ」

睨み合う二人の間に流れる空気は固く、そこかしこで歪に擦れ合い軋んだ音でも聞こえてきそうな雰囲気だ。

ルルーシュは目の前の、親友だと思っていた男を睨み付けながらも寝起きの頭で現状把握を急いだ。

「皇帝から戴いたんだ、君を。君が気を失ってる間に簡単に話はついたよ。好きにして良いって言われたから、ペットとして飼う事にした」

皇帝、という単語にルルーシュは眉を寄せる。

そもそもルルーシュはゼロとしてスザクに捕らえられ憎い父親の前に引きずり出されたのだ。あの屈辱はそうそう忘れられるものではない。その上目の前の男は親友を売って出世すると、そう、言い切った。

まさかスザクがあんな事を言うなんて思わなかった。

怒り、悲しみ、そして何よりも酷いのは喪失感。

対立し合いながらも自分たちの根底には友情があると信じていた。少なくともルルーシュにはあった。その証拠に、どんなに対立し合おうともルルーシュはスザクを殺そうとした事がないし、殺す事ができた時もそうしようとは思わなかった。むしろ危ない時は守ってやっていたし、あわよくば仲間に引き入れ共に歩んで行きたいと思い続けていた。

怒りに支配され銃口を向けた時でさえ本当に当てるつもりなどなかった。(もっとも、機械仕掛けによる銃弾の雨をかわす程の身体能力の持ち主なのだ、不意打ちでもなければ当たるとも思っていなかった)敵対する立場であれスザクは友だちなのだから。

だが、スザクの中にはなかったのだ。

スザクの中でルルーシュは、出世の為なら簡単に切り捨ててしまえるような存在だったのだ。しかも、現状はこれだ、ペット。出世の踏み台の次は、ペット。つまり人間以下というわけだ。

「何がペットだ、ふざけるな」

親友だと思っていた男からのこの仕打ちに心底うんざりしたが、怒り狂うでもなく(狂うにはしかし思考に感情が追い付いてしまっていた)ルルーシュは冷静にスザクを睨み付けた。しかしスザクはスザクでルルーシュを冷たく、軽蔑の眼差しで見下ろしている。

思い出せる最後の記憶。

それは父親と屈辱的な再会を果たし、その父親からテロリストとして刃向かう自分の存在を取るに足らない存在だと軽くあしらわれ、カッとなりがむしゃらに暴れ暴言を吐いたところで首の後ろに鈍い痛みを感じブラックアウトしたところまでだ。恐らくスザクに気絶させられ、それからここへ運ばれたのだろう。

「罪人の君に人権なんかない。いいか、君は僕に飼われるペットだ。これからはずっと四つん這いでいる事、二足歩行は禁止。できなければお仕置きするよ」
「狂ってる!」

スザクの目に冗談の色はなく、ここまで静かな怒りを灯していたルルーシュだったが、度重なる侮辱の言葉についに声を張り上げた。

「狂ってなんかないさ。僕は君を辱めたいだけだ。君がユフィにしたみたいに!」

言って、スザクはルルーシュに勢い良く馬乗りになった。ルルーシュが反応しきれない程の、あまりにも速い動きだった。

「思い知れば良いんだ、自分の意志を無理矢理ねじ曲げられる気持ちを!」

ルルーシュの着ていたシャツが一瞬にしてダメになった。スザクが無理に左右に引っ張ったせいでボタンが引き千切れたのだ。

「な、何を…」

突然馬乗りされ、首を絞めるか殴られでもすると踏んでいたルルーシュは予想外に訪れた肌寒さに思わずスザクの様子を窺った。

「せめて、君の見た目が女性みたいに綺麗で良かったよ」

…が、スル、と、突然肌けた胸を撫でられギョッとする。

「スザク…お前、何を考えている」
「何だと思う?君はもうわかってるんじゃないの?…今から自分が何をされるのか」

肌寒さとスザクの掌の感触で立ち上がってしまった胸の突起をギュウと思い切り抓られる。ルルーシュは顔をしかめた。

「っ!」

そうして段々と、ルルーシュの表情はスザクが見た事のないそれへと変化していく。驚愕と恐怖を足して二で割ったような、

「気でも違ったかスザク…!」

今まで決して自分に向けられた事のないそれに、スザクは自分中の心が少しずつ暗い満足感を得ていくのを感じる。

もっと見たい、もっと見せろ、

いつもすましたようなその憎らしいアメジストから苦痛と屈辱で涙が流れる様を見てみたい。

そうしたら、今よりもっと満足できるかもしれない―…

「出来の悪い奴だな、ペットなんだから僕に足を開いて媚びるくらいしろ。それくらいの芸はあるだろ」

スザクがそうしてわざと怒りを煽ってやれば、こんな状況だからからしくもなく、ルルーシュは激昂し、怒りのあまり顔を真っ赤にして殴りかかってきた。

「こ…の…っ、貴様ぁ!!」

そのルルーシュの拳を易々とかわして、スザクはルルーシュをベッドに押さえつけた。

「放せ下衆!!」

吠えるルルーシュにスザクはクスクス笑った。

「まるで野良犬みたいだ。血統書付きのはずなのに」

ルルーシュが嫌悪する程、怒る程、スザクは悦びを感じるのだ。

「やっぱり、躾がなってないとダメなんだね。これから僕がしっかり躾ないと。」

暴れるルルーシュの黒ビキニの下へ手を滑らせ、萎えきったそこを思い切り握りしめる。

「うっ!!」

途端、ルルーシュの体が硬直した。

「ここを握り潰されたくなかったら、大人しくしているんだな」
「本気なのかスザク…!お前、本気でっ」

「もう黙ったら」

スザクは握りしめていた手の力を少し抜いて、そこをやわやわと揉みしだいた。

「…んっ、や、やめろっ、嫌だ…!」
「ああ、そうだろうね。そう。嫌がってもらわなければ困る。僕は無理強いをしているんだから」

「ふざけるなっ!くっ、スザク!!」

萎えていたルルーシュのそこをスザクがしこたま扱いてやれば、ルルーシュのそこは本人の意思を無視して勝手に高ぶっていく。

「嫌がってる割に随分気持ち良さそうだね?ヌルヌルしてきたよ」

聞きたくもないだろうその状態をわざとスザクが口に出してやれば怒りか羞恥か、それとも両方か、ルルーシュの体が震えた。

「スザク…ッ、スザ、ク!はな…っせ」
「イキそうなのかい?良いよイキなよ。見ててあげる」

「や、やめっ、―――っ、」

往生際悪く身を捩るルルーシュを無視してその先端部分を親指でグリと押してやれば途端にビクリ、とルルーシュの体が痙攣し、スザクの掌に生暖かいモノが吐き出される。

「…。ふーん…普段済ました顔してるけど、ルルーシュもちゃんと男なんだ」
「………っ、く…そっ」

現状を直視できないとばかりにルルーシュは両腕で顔を覆った。屈辱のあまり震えが止まらない。

「ねぇルルーシュ。まさかこれで終わりなんて思っていないよね」

その、ルルーシュの足首を片方掴むとスザクはグイと持ち上げ、黒ビキニを片足からだけ抜き取り、そのままルルーシュの体を折り畳もうとする。

「なっ、」
「…体カタいね。」

が、普段からあまり運動らしい運動などしないルルーシュの体は柔軟な体勢を拒み、中途半端な位置で止まってしまう。

「まぁ、いいか。どのみち今君、丸見えだ」

急に肺を圧迫され呻いていたルルーシュはスザクの言葉にハッとする。いつの間にか下着が片足にかろうじて引っかかっているだけの状態になっている。

仰向けで足を高く上げさせられ、自分の膝が顔の前にあるというこの状態は、つまりその姿を見下ろすスザクへ全てを晒す形となっていた。

「は…放せ変態!」

カッとなり思わず腕を解いたルルーシュは、形振り構わずとにかくこの状況から逃れようと足掻く。

「無駄だって言ってるのに…」

暴れるルルーシュに構わず、スザクはルルーシュのもので汚れた指先を目の前にある、恐らく自分ですら見た事がないであろう慎ましやかな秘所に這わす。

「っ、やめろ馬鹿!!」

ヌルヌルとそこへルルーシュのものを塗り付けると、スザクはその手で自分のズボンに手をかけた。

「さぁ見て御覧ルルーシュ」

そう言って、自らの雄を取り出す。そこは浅ましく反り返っていた。









「これから毎日君がくわえ込むもので、そして今から君のプライドをズタズタにするものだ。」









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